2017 Fiscal Year Research-status Report
地方都市における立地適正化計画策定のための市街地集約拠点の配置モデルの提案
Project/Area Number |
16K06644
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小川 宏樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (20425375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長曽我部 まどか 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (50757268)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 都市計画・建築計画 / 集約型都市構造 / 立地適正化計画 / 地方都市 / 市街地集約拠点 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.立地適正化計画策定状況の調査(平成28年度より継続) 平成28年度に実施した事例と合わせ、平成29年度末時点で112自治体の立地適正化計画の事例収集を行った。その結果、実態として3つの居住誘導区域の指定方針が明らかとなった。(1) 核集約型:人口の集積する場所ごとに拠点を集約しているため複数の拠点をもつ傾向がある。人口の少ない地域や非線引き地域に多く、将来人口推計などより居住誘導区域の指定を行うことが望ましいと考えられた。(2) 軸集約型:大都市で線引き都市に多い。主要駅ごとに複数の都市拠点が公共交通路線でつながれ、その沿線に相当の人口集積があり、将来も一定の運行水準を維持すると見込まれる公共交通路線があることが望ましい。(3) 非可住域除外型:人口規模の差により2つのパターンが考えられた。1つ目は、人口規模の大きい都市である。都市規模が大きく、市街化区域の人口密度が高い都市と考えられた。三大都市圏周辺の都市が多い。2つ目は、人口規模の小さい都市である。都市規模が小さくすでにコンパクトになっていると考えられた。 2.集約型都市構造モデルの検討 国交省の「都市構造の評価に関するハンドブック」にある分析指標を参考に、主成分分析により「都市構造の評価軸」を(ア)都市生活便利度、(イ)都市経営安定度、(ウ)生活安心度、(エ)第三次産業活性度、(オ)商業立地健全度に整理した。この評価軸を元に、県庁所在地クラスの都市の指標を参考に、集約型都市構造のモデル化を行った。その結果、(1)くらし安心型、(2)郊外商業活性型、(3)商業集積型、(4)歩きくらし型の4モデルが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の進捗目標として、研究実績に記載した「集約型都市構造モデルの検討」を行うこととしており、立地適正化計画に先行して実績のある中心市街地活性化計画の活性化の方針とその(数値)目標の評価を参考に、都市構造のモデル化を行った。特に県庁所在地クラスの自治体に焦点を当てた分析を行うことによって、「くらし安心型」「郊外商業活性型」「商業集積型」「歩きくらし型」など、地方都市目線のモデルが検討できた。同時に、まちなか居住の達成度や、中心商業と郊外商業の対立軸など、地方都市ならではの課題も見えてきたため、最終年度では、課題解決に向けた方策を検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年3月31日現在、183自治体が立地適正化計画を策定済みである。また策定済みの自治体を加え、384自治体が計画策定に向け何らかの取り組みを行っている。概ね、1割程度の自治体が立地適正化計画の策定に至ったと言えるが、今年度の調査で、その内の半数が都市機能誘導区域の設定は行えたものの、居住誘導区域の設定にまでは至っていないという実態が明らかとなった。つまり、中心市街地活性化等で実績のある中心市街地=都市機能誘導区域については、自治体も手を付けやすかったが、居住誘導区域は新たな市街化区域・市街化調整区域にも相当しうる線引きを行うことになるため、エリア設定が難航していると考えられる。このような実態も踏まえ、居住誘導区域の設定に理解が得られやすいモデルについても検討したい。
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Research Products
(5 results)