2016 Fiscal Year Research-status Report
高速列挙アルゴリズムとHypergraphによるSpace Syntaxの拡張
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16K06652
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
瀧澤 重志 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40304133)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 列挙アルゴリズム / ハイパーグラフ / スペースシンタクス / 極小横断列挙問題 / 被覆問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,構築する空間分析手法の数理的な問題定義と,それを解くための基本的なアルゴリズム開発を行い,構築した手法を建築スケールの空間に適用して検証を行った. 本研究では,平面上に配置されたポリゴンの隙間の空間を,くまなく極大な凸多角形によって被覆するための最小個数の凸多角形の組み合わせを求める問題とした. 次のこの問題を解くために,まずは入力される平面のポリゴンデータを分割する.一般に平面内の可視領域は無限個考えられるが,それらのほとんどは,人からみてまとまった空間として認知されにくいと思われるので,Peponisが提案したs-partitionによって壁面線を分割し,可視グラフを作成する.そして,Coudertの極大クリーク列挙アルゴリズムを使用して,可視グラフから頂点が3以上の面積を有する極大クリーク(極大な凸多角形)をすべて列挙する.平面をくまなく被覆するかを確認するために,空間内に細かくサンプリング点を設け,それらを被覆するかどうかで判定を行う.次に極小横断を求める.本研究の問題の場合,極小横断とはサンプリング点を包含する凸多角形の極小な組み合わせのことである.そのために,戸田によるハイパーグラフの極小横断の列挙アルゴリズムを利用する.そして,その中から,最小個数の凸多角形の組み合わせで,かつそれらの中で面積の和が最大なものをZDDの集合演算の機能を利用して効率的に求める.以上の一連のアルゴリズムをC++で実装した. 検証に用いた空間は,藤本壮介による情緒障害児短期治療施設のフロアプランを模したものである.計算には一般的なノートパソコンを用いて行った.得られた極小横断の数は,1543606641113586432と膨大だが,その列挙には0.5秒程度しかかからなかった.さらにそれらの中から,最小個数の極小横断集合の探索するのにも1秒程度と短い時間で抽出が可能であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ平成28年度の研究実施計画の通りに研究が進んだため,本研究はおおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29・30年度の研究計画に沿って研究を進めていく予定であるが,当初は計画していなかったが本研究に関連する内容として,ZDDに含まれた解の検索方法の効率化や,2次元から3次元空間への拡張の可能性などについても,時間があれば考えてみたい.
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Research Products
(1 results)