2017 Fiscal Year Research-status Report
湿潤粉粒体モデリングを用いた粒度分布適正化による生砂型の高強度化
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16K06816
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
前田 安郭 大同大学, 工学部, 教授 (10240813)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生型砂 / 離散要素法 / 粒度分布 / 砂層圧縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
造型シミュレーションの開発では、生型砂造型に対して骨材と被覆している粘着層をHard-Core/Soft-Shellで表現する湿潤粉粒体モデリングと、ラグランジュ系解析の離散要素法(DEM : Discrete Element Method)を用いて、スクィーズ造型のシミュレーションを実施した。昨年度に続きプログラムバグを数点修正するとともに、本年度は高速計算のためのパラレルコンピューティングとGPGPUへの展開を模索した。 硅砂や人工セラミックス砂に対する粒度分布の同定方法を確立することができた。本方法を用いると計算規模に応じて適当な要素数でシミュレーションすることが可能である。また骨材の違いや粒度分布の広がりに着目して解析を実施したところ、生型砂特性の違いによる造型挙動の違い(充填密度や空隙率)を示すことができた。一方で、粒度分布の広がりない条件をシミュレーションしたところ、平均粒径がほぼ同じで、粒度分布が広がっているときと、ほぼ無いときとで顕著な差がないとなった。この結果は文献とは異なる結果であり、引き続き、アルゴリズムの修正検討と数値解析を進めるとともに、特性実験を実施することで本現象の理論的かつ物理的考察を進めて行く予定である。 昨年度に整備した粒度分布と粘着剤が砂層圧縮メカニズムに及ぼす影響をCooper-Eaton式を用いて分離するための実験装置であるが、要求仕様とズレがあって正確な測定が困難であったため調整に苦慮していたので、抜本的な改修を実施した。やっとシミュレーションの検証と照合のための特性解析が実施できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験装置ならびに特性実験についてはトラブルつづきであるが、シミュレーション開発の方は順調に進んでいる。粒度分布同定方法を確立し、色々な分布形状に対応出来るようになった。平均粒径の違いなど、生型砂の特性を取り込むことが可能である。これらアルゴリズムを実験検証していくする必要がある。全体としてはおおむね順調と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
トラブルつづきの実験装置は、昨年度末に抜本的な改良を実施し、当初の仕様に従い実験できることを確認した。供試材として、硅砂と人工セラミックス砂に対して、平均粒径の異なるもの数種、粒度分布の広がりが異なるものなど入手済みであり、以降は順調に特性実験を進めることが出来ると考えている。実験結果を踏まえて、湿潤粉粒体モデリングと造型シミュレーションアルゴリズムは適宜修正する予定である。 加えて、実ラインを想定したシステムサンドへの展開では、(公社)日本鋳造工学会の生型研究部会(研究テーマ「砂管理技術の再構築Ⅱ」)に協力依頼しており、引き続き検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
物品と消耗品において購入価格が当初計画と少し違っていたために生じたが、ほぼ計画通りである。 繰り越し分は、研究成果の発表や消耗品の購入に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)