2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K06897
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
石出 忠輝 木更津工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (30212905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 一夫 木更津工業高等専門学校, その他部局等, 校長 (30133606)
劉 浩 千葉大学, 大学院工学研究科, 教授 (40303698)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 羽ばたき翼 / バイオミメティクス / 生物飛行 / MAV / 前縁剥離渦 / PIV計測 / 空力特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,3Dプリンタで翼厚の異なる楕円翼を造形し,これらの翼を風洞内でヒービング運動させ,翼厚分布が空力特性に与える影響を調査した.具体的には,Type AからType Hの8種類を製作した.翼の平面形状は,誘導抗力を軽減することができる楕円形を採用している.Type Aの材質はステンレス(SUS304)である.翼厚は翼根元から翼端まで0.2mm一定である.Type Bは外板をフィルム(AK-クリヤフィルム),翅脈をステンレス(SUS304)として構成されており,フィルム厚さ50μm,翅脈厚さ0.2mmである.Type C,D,Eの材質は, ABS樹脂の一種であるVero White Plus (RGD835)としている.これらの楕円翼は,翼幅方向にテーパをつけており,翼根元の翼厚を1.5mmで固定し,翼先端を翼根元の75%,50%,33%の厚さとした.Type F,G,Hの材質は,C,D,E と同様のVero White Plus (RGD835)であり,翼弦方向にテーパをつけており,前縁の翼厚を1.5mmで固定し,後縁を前縁の75%,50%,33%の厚さとした.結果として,以下の結論を得た.
1.羽ばたき運動の効果は,迎角10度以上で顕著になる. 2.翼幅方向に主翼厚さのテーパを付けた場合,タイプD(テーパ比0.50)が最もCLmaxが大きくなった. 3.翼弦方向に主翼厚さのテーパを付けた場合,タイプH(テーパ比0.33)が最もCLmaxが大きくなった.また失速角23度であり,前述のタイプDより7度大きい値となった. 4.タイプA(ステンレス翼)とタイプDを対象として,迎角13度においてPIVトリガー計測を試行した結果,前縁剥離渦パターンが異なっている様子が確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ステンレス製翼と比較し,最大揚力係数が増加するABS樹脂翼は存在し,翼幅方向及び翼弦方向に適度なテーパを付けると空力特性が改善される事が確認できた.今年度の研究目標は概ね達成できたものと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の実施により,羽ばたき飛行及び弾性翼の有効性が確認できた.しかしながら,風洞実験データは十分なものとは言えず,再現性の確認が必要である.また,今年度のデータを基に翼幅及び翼弦方向にテーパを持たせたABS樹脂翼を製作し,その空力特性と剥離渦配置パターンについて調査し,より明確な柔軟翼プロフィールの有効性についての知見を見出していく.
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Causes of Carryover |
研究分担者の校務等の都合により,予定されていた学会等への出張が実現できなかったため次年度使用額が生じている.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主として,シート面内三次元PIV計測用カメラ及びソフトウェア導入のための経費として使用する.また,2017年10月に沖縄で開催されるTFEC9(The Ninth JSME-KSME Thermal and Fluids Engineering Conference)において発表ための経費として使用する.
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Research Products
(4 results)