2017 Fiscal Year Research-status Report
海洋環境を利用したフリーフォール型海底観測装置の高精度位置推定の開拓
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16K06913
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 義和 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (30251672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森野 博章 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (50338654)
清水 悦郎 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (60313384)
広橋 教貴 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (90376997)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 慣性航法 / 海洋調査 / フリーフォール / 海底資源探査 / SURF / ガラス球 / カルマンフィルター / 位置推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き,ガラス球に封入されたステレオカメラ視を用いた画像処理による挙動推定の高精度化を行った.SURF(Speeded Up Robust Features)とICP(Iterative Closest Point)を用いることで特徴点を抽出し,三角測量を用いて,フリーフォール型観測機の移動距離の推定を試みている.今年度は2グループでほぼ同性能のステレオカメラを用いて取り組んでいる.一方のグループは,陸上で地面に特徴点となる指標を置いて,SURFとICPを組み合わせた移動量推定を行い,陸上において10mの移動で10%程度の誤差の精度を得ている.もう一方は,LEDの点灯を特徴点として移動量推定を行った.今年度後半で,両グループ参加のもと水槽でクレーンによる牽引実験を試みているが,光量の調整等に問題があり,十分な精度を得ることができていない.また,一方のグループでは実海域での映像を取得し,特徴点の抽出及びICPの適用可能性も検討している. また,昨年度に引き続き,慣性センサを用いた位置推定を行っている.昨年度の結果から陸上と比較して水中では10分の1以下の加速度であることを確認している.そのため,今年度は新たに市販の慣性センサを導入し,データ取得頻度を100Hzで行い,拡張カルマンフィルタを適用することで,位置推定精度の確認を試みた.第1段階として,慣性センサから得られるノイズのモデル化を行い,水深計と距離センサを組み合わせた場合の位置推定手法の提案し,位置推定精度の確認が可能となるシミュレータの開発を行った.拡張カルマンフィルタに一台の距離センサデータを導入し,地磁気のデータと組み合わせた場合,円周上軌道に位置推定誤差をとどめられることとなる.今後,速度センサのデータなどの導入を行い,位置推定誤差の範囲をポイントに絞っていくような手法の提案が必要となってくる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
慣性センサと距離センサを組み合わせた手法を提案しているが,精度の確認はシミュレーションでの確認にとどまっており,水槽での実験まで至っていない.また,実海域での実験での位置推定の確認方法が今後の問題となる.ガラス球を用いたフリーフォール型水中観測機のため,観測機からの信号の送信が要求されるSSBL(Super Short Baseline)などの適用は困難である.ソナーを組み合わせた位置精度の確認を考えているが,鉛直方向の精度確認にとどまることが想定される.また,可視光を用いた距離センサの開発を進めているが,イメージセンサを用いた装置を拡張して距離センサに適用している.そのため,十分な光量を与える発光装置の開発が求められるが,距離センサ受光側の動作周波数に対して十分な電流容量が得られる発光装置の完成に至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き,可視光を用いた距離測定装置の開発を進め,慣性センサによる位置推定精度の改善を試みる.また,画像解析による位置推定では,今年度も引き続き,陸上での特徴量抽出精度を高めてから,海中の位置推定を試み,慣性センサの位置推定と画像解析を組み合わせたフリーフォール型観測装置の位置推定の完成を目指している.
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Causes of Carryover |
可視光を用いた距離センサの開発が遅れており,そのため,実海域での実験等の実施が困難となったため,差額が生じている.今年度,完成を目指し,実海域での実験を試みる予定であり,その中で差額の予算を使用する予定である.
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