2018 Fiscal Year Annual Research Report
New behavioral animal model to study genetic and environmental factors in the cause of depression
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16K07100
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
土江 伸誉 兵庫医療大学, 共通教育センター, 講師 (00434879)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | うつ動物モデル / 水迷路学習 / 行動的絶望 / マウス / 個体差 / 脆弱性 |
Outline of Annual Research Achievements |
雄性のC57BL/6Nマウスを被験体とする水迷路学習実験の場面において、プラットホームのサイズとプールの周囲の環境を操作して課題の難度をある一定の水準以上に設定すると、一部の被験体が、プラットホームへのいち早い逃避という適応的対処行動の学習を徐々に放棄し、遂には行動的絶望状態に陥る(欝モデルマウス作製法(特許第4619823号))。我々は、これらの個体をLoser、対して、良好な学習を示す個体をWinnerと命名した。 平成30年度は、このLoserのうつ動物モデルとしての妥当性について多角的に検討した。うつ病のバイオマーカーとしての可能性が指摘されている血中サイトカインの定量をマルチサスペンションアレイを用いて実施したところ、Loserには、炎症性サイトカインの上昇等、ヒトのうつ病患者との類似性が認められた。また、Loserの行動的絶望状態の背景要因を探索するために、海馬のDNAマイクロアレイ解析を実施したところ、LoserとWinner(あるいは無処置統制マウス)との間で、うつ、ストレス、認知機能等との関連が報告されている複数の遺伝子の発現に差が見られた。現在、IPA等のソフトウェアを利用して詳細なデータ分析を継続中である。 また、Loserが出現する困難な水迷路学習実験手続きを、うつ的な状態が想定されるIL-18遺伝子欠損マウスや中大脳動脈M1遠位部永久結紮によって作製される脳梗塞モデルマウスの表現型解析に応用した。その結果、これらのマウスでは、それぞれの比較対照マウスより学習成績が悪く、行動的絶望状態を示す個体の出現率も高かった。つまり、これらのマウスがうつ的な表現型を持つこと、また、困難な水迷路学習実験手続きがマウスのうつ的傾向の評価系として有用である可能性が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Interleukin-18-deficient mice develop hippocampal abnormalities related to possible depressive-like behaviors2019
Author(s)
Yamanishi Kyosuke, Doe Nobutaka, Mukai Keiichiro, Ikubo Kaoru, Hashimoto Takuya, Uwa Noriko, Sumida Miho, El-Darawish Yosif, Gamachi Naomi, Li Wen, Kuwahara-Otani Sachi, Maeda Seishi, Watanabe Yuko, Hayakawa Tetsu, Yamanishi Hiromichi, Matsuyama Tomohiro, Yagi Hideshi, Okamura Haruki, & Matsunaga Hisato
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Journal Title
Neuroscience
Volume: 408
Pages: 147~160
DOI
Peer Reviewed
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