2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of resistance to proteasome inhibitors and search for novel molecular targets to overcome resistance
Project/Area Number |
16K07179
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
李 政樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (00567539)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プロテアソーム阻害剤 / 薬剤耐性機序 / ボルテゾミブ / カルフィルゾミブ / 多発性骨髄腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、プロテアソーム阻害剤の薬剤耐性機序を解明し、耐性機序のパターン化および耐性クローンに特異性の高い新規の分子標的を同定することを目的とする。これまで、プロテアソーム阻害剤の中でも最もよく使用されているボルテゾミブに着目し、骨髄腫患者さんのボルテゾミブ治療の投与前および治療後の薬剤耐性獲得時の2点における、骨髄中の腫瘍細胞および末梢血を採取し解析している。2019年度は同じくプロテアソーム阻害剤であるカルフィルゾミブに着目し、その薬剤に獲得耐性を示した骨髄腫患者さん4例の耐性時の骨髄腫細胞における遺伝子変異や末梢血cell free DNA (cfDNA)の遺伝子変異を解析した。その結果、ボルテゾミブ耐性時と同等にプロテアソーム遺伝子の変異として、PSMB9が検出され、またNFKB関連遺伝子の変異も同時に検出された。それらの遺伝子変異は、末梢血cfDNA中にも同様に検出され、耐性が進むにつれて、変異の頻度が高まる傾向が骨髄中の腫瘍細胞および末梢血cfDNAにともに観察された。よってカルフィルゾミブ耐性時の遺伝子変異の予測因子としての可能性が示唆された。一方、プロテアソーム関連遺伝子の発現量(小胞体ストレス関連など)には変化がなかった。カルフィルゾミブは、ボルテゾミブよりもよりプロテアソーム阻害の特異性が高いことが知られており、さらなる症例数の蓄積を行ってプロテアソーム遺伝子の変異の有無を検証する必要がある。
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