2016 Fiscal Year Research-status Report
骨髄間質細胞由来機能強化型改変エクソソームによる多発性骨髄腫の新規治療法開発
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16K07183
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
大屋敷 純子 東京医科大学, 医学部, 教授 (20191950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 知宏 東京医科大学, 医学部, 講師 (40385547)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エクソソーム / miRNA / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の到達目標は(1) 健康人ドナーの年齢による優良エクソソームの選別(平成28年度上半期)、(2) miRNAプロファイリングによる優良エクソソームに特徴的なmiRNAの選別(平成28年度下半期)であったが、ロンザ社の骨髄間質細胞を用いて解析した結果、ドナーの年齢がエクソソームの機能と関係し、若年者骨髄間質細胞由来エクソソームが著しい腫瘍血管抑制効果を有することが明らかになった。そこで、若年者由来エクソソームに特徴的なmiRNAをプロファイリングにより選別し、候補となるmiRNAを同定した。すなわち、若年者の骨髄間質細胞より分泌されるエクソソームと高齢者の骨髄間質細胞より分泌されエクソソームに関して、エクソソームのサイズ、分布、分泌量には差がないものの、含有するmiRNAが大きく異なることを見いだした。 若年者骨髄間質細胞由来エクソソームに含有されるmiRNAのうち、ランキング上位のものは、miR-411, miR-374a, miR-340, miR-133a, miR-365などであり、これらのmiRNAを介してエクソソーム受容細胞の標的タンパクが制御されていると考えられた。以上より、優良エクソソームの条件としては(1) 若年者由来であること、(2) 腫瘍血管抑制効果が期待されるmiRNAを多く含有していることが重要であると結論づけた。この結果を踏まえて、次年度以後は機能強化型エクソソームの作製を試み、エクソソーム受容細胞の挙動、すなわちエクソソームを介した標的タンパク制御機構について研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
間質細胞からのエクソソーム抽出が順調におこなわれたことに加えて、miRNA profilingの技術が安定化してきたことが大きな要因である。加えて、エクソソーム研究が注目されたことにより、エクソソーム抽出キットやエクソソームからのtotal RNA抽出のキットが開発され市販されたことも関係している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に明らかとなった優良エクソソームの特性をふまえて、改変型エクソソームの作成を行い、in vivoでの評価を行う。
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Causes of Carryover |
研究成果について投稿し、投稿に関連する費用に充当する予定であったが、年度内(平成29年3月31日)に採択されなかったため、差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
投稿中の論文の英文再校正、投稿費用に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)