2018 Fiscal Year Research-status Report
ナフトピジルを基盤とした新規悪性中皮腫治療薬の創製と作用メカニズムの解明
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16K07186
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
清水 忠 兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (40509022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長屋 寿雄 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60464343) [Withdrawn]
大野 喜也 兵庫医療大学, 薬学部, 講師 (40509155)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ナフトピジル / 探索合成 / 中皮腫 / 代謝物 / 膀胱癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度も2017年度に引き続き、誘導体合成を検討したところ、合成中間体として得られたナフトピジル代謝物がナフトピジルよりも細胞増殖抑制活性を有することが見出された。ナフトピジル代謝物の多くが尿中排泄タイプであり、膀胱に効率的に集積すると考えられるため、膀胱がんに細胞をターゲットし既知および予測代謝物を網羅的に合成した。合成した8つの化合物の1次評価として、膀胱癌細胞株KK47の増殖抑制活性(IC50)を評価した。 その結果、既知代謝物Aの抗腫瘍効果はナフトピジルと比較して約1.3倍程度強いことが見出された。さらに、ヒト胎児腎細胞から樹立された正常細胞株HEK293に対する細胞毒性を評価したところ、既知代謝物Aはナフトピジルに比べて約0.45倍程度減弱した。正常細胞IC50/腫瘍細胞IC50の比で選択毒性の程度を比較したところ、既知代謝物Aはナフトピジルに比べ、約2.8倍程度改善していた。 さらに、高次評価を行うための既知代謝物Aの大量合成法を確立した後、既知代謝物Aの血中濃度測定も行った。in vivoにおける既知代謝物Aの抗癌活性を検討するため、KK47細胞移植マウスXenograftモデル実験を行ったところ(32 mg/kg, ip, 週1回投与)、ナフトピジルより強い癌細胞増殖抑制効果を示すことが明らかになった。現在、本成果の報文化を行うと共に中皮腫細胞への効果について検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的とする新規誘導体ではないが、ナフトピジルより強力な活性を有する代謝物を見出すことができ、代謝物の薬物動態も確認した後に、膀胱がん細胞でin vivoで活性を示すことを明らかに出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は代謝物がin vivoにおいて中皮腫細胞で腫瘍増殖抑制があるかを検討することで、当初の目的である中皮腫細胞の抑制剤の開発が可能になると考えている。
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Causes of Carryover |
予定していた細胞評価および動物実験に関して学内予算で行ったため、今年度の執行額が少なくなった。2019年度は、中皮腫を用いた動物実験およびメカニズム解析に次年度使用額を執行する計画である。
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