2018 Fiscal Year Annual Research Report
Epigenetic mechanisms in schizophrenia by immune activation during pregnancy
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16K07210
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
兪 志前 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (60451639)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 統合失調症 / メチル化 / 環境要因 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症モデルマウスはコントロール群と比べ、出生数および出生時の体重において有意差は認められなかった。Thigmotaxis test におけるセンターゾーン滞在時間および走行時間は、雌仔マウスが雄仔マウスより著しい変化が見られた。さらに、雌マウスにおける驚愕反応の抑制が有意に低減し、雄マウスの変化が見られなかった。以上のことから、妊娠後期のウイルス感染に対する応答のモデルにおける PolyI:C 投与による雌仔マウスにおける統合失調症様行動異常が見られた。また、これらのマウスの前頭前野組 織を摘出して、抽出した総 RNA を対象としたマイクロアレイにより網羅的遺伝子発現解析を行って、胎生期ストレス負荷により成長後も発現に影響を受ける統合失調症に関連する遺伝子群を特定した。これらの遺伝子の中、雌仔マウスにおける遺伝子の変動が著しく、上昇(125 個)または減少(80 個)した遺伝子に対して、雄仔マウスが4個減少した遺伝子しか観察されていない。また、雌子マウスの変動した遺伝子はシナプスなどのカテゴリーに属され、統合失調症に関連する 24 個の遺伝子がすでに報告されている。DNA メチル化解析の結果においても雌仔マウスの高メチルが観察され、遺伝子発現解析の結果と併せ、胎生期の環境負荷が成長後の行動への影響となる DNA メチル化状態の変化を分子マーカーも特定した。その中、遺伝子 Acsbg1 のDNAの高メチルおよび発現減少が雌仔マウスのみで確認された。さらに、この遺伝子の低発現およびメチル化状態の有意な上昇が女性の統合失調症の死後脳検体においても確認された。ヒト ACSBG1 の 4 アミノ酸の欠失が起きるバリアントの発現の有意な減少した。この遺伝子から翻訳されるタンパク質のドメイン機能を予測するソフトウエアを用いて解析した結果、等電点等に影響する可能性が示唆される。
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Research Products
(10 results)