2018 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the Hox gene function on position specific cartilage morphogenesis of the limb by identification of the target genes
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16K07369
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
黒岩 厚 名古屋大学, 理学研究科, 招へい教員 (20134611)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肢芽 / 四肢骨形成 / 軟骨分化 / Hox遺伝子 / 標的遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
基盤的データは既に前年度中に得られていたので、再現性確認および補強を実施した。これらについて論文を執筆し専門誌に投稿したところ、査読者から研究結果に基づいた大胆な議論を展開するよう、建設的な指導をいただいた。その結果以下の点で議論をさらに展開させ、論文に加えた。(1)手/足根骨は自脚基部に位置し、四肢骨の中では特徴的な形態形成と骨分化を遂げる。手/足根骨原基では、それより先端部分と異なりしばらくの間Hoxa11とHoxa13が共発現している。これが手/足根骨の特性と関連している可能性を、本研究で明らかになったHox標的遺伝子に対するHoxa13の作用に基づいて言及した。(2)Hox標的遺伝子中のHox結合領域には、複数のホメオドメイン(HD)転写因子結合部位が存在し、進化的に保存されている。Hox以外の四肢骨形成への関与が知られているHD転写因子も、これらに結合していることが示されていた。これらとHoxが、共通標的配列に多様な様式で結合することにより多様な転写環境を生み出し、その結果位置固有な四肢骨形態が生み出されている可能性を提唱した。(3)予定自脚領域で発現が低下し消失するHoxa11の発現制御にはHoxa11のイントロンに存在するHox結合配列が大きく関与していることが知られているが、Hoxa13がかなり特異的に結合していることについての解釈。これらに加えHox13が組織の成長的形態形成と軟骨分化のタイミングを自脚固有な様式で調節することにより、5本の指を持つ四肢動物に共通した自脚固有の形態形成を制御しているという仮説を提唱した。このようにして論文は長大なものとなったが、雑誌編集長の配慮により全てが掲載され、私がライフワークとする「四肢形成過程におけるHoxの機能を、標的遺伝子群の同定により明らかにする」という研究について、本論文を集大成の一つとすることができた。
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Research Products
(3 results)