2019 Fiscal Year Annual Research Report
Acquisition of apoptosis resistances in Drosophila tissue
Project/Area Number |
16K07378
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 喜一郎 京都大学, 生命科学研究科, 特定助教 (20554174)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ショウジョウバエ / アポトーシス / カスパーゼ / 倍加細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度の研究として、1) 病理的および 2) 生理的アポトーシス耐性の制御メカニズムとその共通性・相違点について検証を行った。平成30年度までに、人為的な倍加誘導細胞で獲得される病理的アポトーシス耐性の実体として、アポトーシス抑制因子Diap-1の発現上昇、Dcp-1をはじめとしてカスパーゼ群の部分的な低下が示唆されている。Diap-1の発現には、一般的に増殖抑制シグナルであるHippoシグナルが関与することが知られている。そこで、倍加誘導細胞においてもHippoシグナル下流の転写因子であるYkiを抑制したところ、Diap-1の発現上昇が抑制された。またYkiの抑制は、X線に対するアポトーシス感受性についても部分的に抑制した。一方で、カスパーゼ群の転写抑制については、ヘテロクロマチン化によるゲノム不活化とマイクロRNAによる制御に注目して解析をおこなった。その結果、倍加誘導細胞においてヘテロクロマチン化を抑制することで、カスパーゼ遺伝子の一つであるDroncの発現低下が部分的に解消することがわかった。しかしながら、ヘテロクロマチン化の抑制によるDroncの発現の発現上昇は部分的であり、X線によるアポトーシス感受性も抑制しなかった。一方で、マイクロRNAプロセシング因子を抑制してもカスパーゼ群の発現量に変化はなかった。次に、発生過程において生じる生理的な倍加細胞においても、同様のメカニズムが存在するか検証した。生理的な倍加細胞では、実行カスパーゼDcp-1, Driceおよび開始カスパーゼDroncの発現低下が生じている。興味深いことに、ヘテロクロマチン化の抑制は、病理的倍加細胞の場合と同様にDroncの発現低下を部分的に解消した。
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Research Products
(2 results)