2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the rapid movement of Mmosa pudica by using whole-cell imaging and live imaging techniques
Project/Area Number |
16K07411
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
真野 弘明 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 特任助教 (80376558)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オジギソウ / イメージング / カルシウム / チャネル / 運動 / ゲノム編集 / トランスジェニック / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、オジギソウの運動器官である葉枕にライブイメージングや三次元イメージングなどの各種イメージング技術を活用することにより、おじぎ運動のメカニズムを解明することを目的とする。CRISPR/Cas9システムを用いたオジギソウ変異体の作出、自作の簡易ロボットを利用したおじぎ運動の定量的解析システム、およびカルシウムセンサーGCaMP6fによる細胞間シグナル伝達のライブイメージングを組み合わせて解析を行った結果、おじぎ運動には機械刺激受容チャネル遺伝子およびグルタミン酸受容体型チャネル遺伝子の2つの遺伝子が関与することを見出した。機械刺激受容チャネル遺伝子の変異体ではおじぎ運動のスピードが大きく低下し、グルタミン酸受容体型チャネル遺伝子の変異体では葉枕間および葉枕内の運動細胞の高速同調が損なわれた。さらに、グルタミン酸受容体型チャネル遺伝子を全身で過剰発現する植物体を作出した結果、接触刺激によるシグナル伝達が亢進し、1つの葉を触っただけで植物個体の全部の葉が閉じるという表現型が観察された。これらの結果は、上記の2つの遺伝子がオジギソウの運動の鍵となる「個々の細胞の高速運動」と「細胞間の高速シグナル伝達」にそれぞれ重要な役割を果たすことを強く示唆した。また、葉枕内の全細胞の体積変化を包括的イメージングにより調べた結果、運動細胞は実際には予想されていた(25%)よりも大きく収縮している(39%)ことが明らかになった。この観察結果をもとにおじぎ運動における水の移動メカニズムを再検討した結果、細胞内の水の大部分は細胞外へと放出されるのではなく、細胞間連絡(プラズモデスマータ)を介して細胞から細胞へと移動するのではないか、という新規仮説の着想に至った。今後、これらの研究成果をさらに発展させることにより、オジギソウの運動メカニズムのより詳細な解明が進むと期待される。
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Research Products
(1 results)