2018 Fiscal Year Annual Research Report
A new ovulation inducing factor of sea cucumber
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16K07424
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉国 通庸 九州大学, 農学研究院, 教授 (50210662)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナマコ / 排卵誘発因子 / 生理活性物質 / 生殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験材料となる産卵期のマナマコは、これまで佐賀県唐津漁協加部島支所から入手してきたが、近年続いている不漁により、排卵誘発活性成分の大規模精製に必要な数の成熟個体が入手出来なかった。地元漁協から少数の混獲個体を入手できた為、精製実験に資するデータ取得を目的として、イオン交換クロマトグラフィー法、試料調製時のプロテアーゼ阻害による回収量の向上等を検討した。 29年度までに確立した生殖巣切断刺激法(組織切断刺激により生殖巣培養液中に排卵誘発活性が検出される)により同活性を回収し、脱塩処理後、陰陽の各イオン交換クロマトグラフィーを実施した。pH8.5で陰イオン交換カラムに強く保持され、0.9-1MのNaCL添加で溶出されることから、比較的強い塩基性成分であることが予想され、精製過程に陰イオン交換法を加えることが効果的であると結論した。また、プロテアーゼによる分解抑制の効果を調べる過程で、プロテアーゼ阻害剤そのものによる排卵が誘発されることが明らかとなった。6種の阻害剤からなる広域阻害カクテルを所定濃度で用いると、クビフリン(10-9M)による卵成熟が抑制されることから、クビフリンによる卵成熟誘起過程はプロテアーゼの活性化を伴うことが予想された。個々の検討では、セリンプロテアーゼ阻害剤AEBSF(4-(2-aminoethyl)benzensulfonylfluoride)は、1mMでクビフリンによる卵成熟を完全に抑制するが、排卵現象は抑制しなかった。興味深いことに1mMのAEBSF単独投与で卵成熟を伴わない排卵が誘導されることが明らかとなった。生殖巣切断刺激法で培養液中に検出される排卵誘発活性とAEBSFの作用過程に共通点があるかどうかは不明である。
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Research Products
(1 results)