2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of olfactory receptors in odorant-induced physiological reponses
Project/Area Number |
16K07445
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松尾 朋彦 関西医科大学, 医学部, 研究員 (90641754)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 神経科学 / 匂い / 恐怖情動 |
Outline of Annual Research Achievements |
匂い物質の中には、生物に特定の情動やそれに付随した行動・生理応答を本能的に誘発するものが知られている。これら一連の匂い物質に対する応答がどのようなメカニズムによって誘発されているのか、これまで明らかになっていることは少ない。本研究では、これら応答の起点となる、末梢における匂い物質の受容体の役割を明らかにすることを目指した。このために、特定の行動・生理応答を誘発することが知られている匂い物質の受容体スクリーニングで得られた受容体候補群を、マウスを用いてin vivoの機能解析を行った。この結果、恐怖情動を誘発する匂い物質を提示した際に引き起こされる恐怖行動が、複数種の受容体遺伝子ノックアウトマウスにおいて低下する傾向が観察された。また、神経活性化マーカーであるc-fosの発現を調べたところ、恐怖誘発匂い物質の暴露時に、受容体発現神経細胞でc-fosの発現が観察される受容体を明らかにした。さらに、この受容体発現細胞の軸索の投射領域近傍においてもc-fosの発現上昇が見られた。一方、受容体ノックアウトマウスにおいてはこのc-fos発現誘導が低下していた。この受容体ノックアウトマウスでは、この他にも恐怖情動に関与することが知られている脳中枢領域においても、恐怖誘発匂い物質の暴露時に発現誘導されるc-fos陽性細胞が減少していた。これらのことから、受容体の下流で恐怖応答の発現に重要な脳領域が機能していることがわかってきた。
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[Journal Article] Large-scale forward genetics screening identifies Trpa1 as a chemosensor for predator odor-evoked innate fear behaviors2018
Author(s)
Wang Y, Cao L, Lee CY, Matsuo T, Wu K,Asher G,Tang L,Saitoh T,Russell J,Klewe-Nebenius D, Wang L, Soya S, Hasegawa E, Cherasse Y, Zhou J, Li Y, Wang T, Zhan X, Miyoshi C, Irukayama Y, Cao J,Meeks JP,Gautron L,Wang Z,Sakurai K, Funato H, Sakurai T, Yanagisawa M, Nagase H, Kobayakawa R, Kobayakawa K, Beutler B, Liu Q
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 9
Pages: 2041
DOI
Peer Reviewed / Open Access