2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of "evrything is everywhere" hypothesis using mercury resistance bacteria as tracer microorganism
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16K07529
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
松井 一彰 近畿大学, 理工学部, 教授 (40435532)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 水銀耐性細菌 / 環境による選択 / merA |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌の「地理的分布」と「環境による選択」の実態を3年間で実験的に検証するにあたり,3年目となる本年度は以下の項目について研究を進めた. 1) 移入した細菌とその機能は環境中で選択されるのか?"but the environment selects"仮説の検証 2年目までの研究成果にて,研究協力者のSilver教授が持つ世界の土壌サンプルを対象に,水銀耐性細菌Bacillus megaterium MB1が持つ水銀還元酵素遺伝子(merA)と有機水銀分解酵素遺伝子(merB1)の分布をPCR法にて検証し,"everything is everywhere"仮説が成り立っていることを示した.しかし多くの土壌サンプルに含まれる水銀耐性細菌数は,土壌1g中に1000個以下と少ない事も明らかになった.そこで本年は,土壌中の水銀耐性細菌が,選択的に増加するかどうかについて検証した.塩化水銀を含めた選択培地と水銀を含まない非選択培地を用いて土壌を培養し,土壌中に含まれる細菌数を定量PCR法にて追跡した.いずれの培地においても,検出された総細菌数に差は見られなかった.しかし水銀を含む選択培地では総細菌数とほぼ同数のmerAが検出されたのに対して,非選択培地におけるmerAの数は総細菌数の10%未満の場合が多かった.このように水銀を含む培地においては,水銀耐性細菌が選択的に増加していることが明らかになった.また検出されるmerB1の数は,merAの数とほぼ同数の場合と,merAよりも明らかに低い数になる場合の2パターンが見られた.このことから,細菌が持つ水銀耐性トランスポゾン構造が多様であることを予想してサザンハイブリダイゼーション法を用いた検証を行い,大きさの異なる複数のトランスポゾンが各土壌中に存在することを示した.
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Research Products
(3 results)