2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effect on alleviation of metabolic syndrome by voluntary exercise and food factor
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16K07729
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
井上 奈穂 山形大学, 農学部, 准教授 (90510529)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | in vivo / in vitro / スクリーニング / 生活習慣病 / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
従来、食品由来成分の機能性評価を行う場合、混餌あるいは経口投与による動物実験が広く行われている。近年、動物愛護の観点から、動物実験をできるだけ排除する、減少させるという風潮が世界的に高まっており、培養細胞などによるin vitro試験の確立が代替法として求められ、また、in vivo試験においても、できるだけ実験動物数低下につながる再現性の高いスキームの構築が重要と考えられている。 植物ステロールは比較的酸化安定性が高い化合物であるが、動物性のコレステロールと同様に小腸内腔で腸内細菌によって3位の水酸基がケト基へと変換されて、それぞれ植物ステノン、コレステノンとなり、二重結合の位置が異なるいくつかの異性体になる。化学合成されたコレステノンや植物ステノンといったさまざまな酸化誘導体が、マウスおよびラットにおいてエネルギー消費を高め、血清トリアシルグリセリロール濃度、血清コレステロール濃度を低下させ、内臓脂肪蓄積を低減させることが報告されている。これらの内臓脂肪低減作用は植物ステロールでは観察されない作用である。 植物ステノンの一種である5-カンペステノンの内臓脂肪低減作用がこれまでにいくつか報告されている。しかしながらその詳細なメカニズムや消化、吸収、分布、代謝といった体内動態に関しては未だ明らかになっていない。そこで、本研究ではその詳細を明らかにすること、さらにはよりよい動物実験系の構築を目的に、5-カンペステノンおよび植物ステノン混合物を用いて塗布試験を行った。その結果、2週間の塗布により、皮下脂肪低減作用の可能性が認められたが、その効果は塗布以前および塗布中の栄養状態によって異なることが示唆された。
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