2017 Fiscal Year Research-status Report
ウシ筋肉内脂肪細胞分化における揮発性脂肪酸の役割の解明
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16K07997
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
溝口 康 明治大学, 農学部, 専任准教授 (80514158)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ウシ / 筋肉内脂肪細胞 / 揮発性脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はウシ筋肉内脂肪細胞分化における揮発性脂肪酸の影響を明らかにすることを目的としている。平成28年度は揮発性脂肪酸の受容体であるG protein-coupled receptor (GPCR) 41およびGPCR 43遺伝子発現に着目し研究を推進した。しかしながら、それら発現量が少なくその動態を明らかにすることは難しいと判断した。これは、揮発性脂肪酸は受容体を介したシグナル伝達ではなく輸送体などによる取り込みにより、細胞内でその役割を担っている可能性を示唆した。よって本年度は研究計画を変更し、揮発性脂肪酸で牛ルーメン内において多く産生される酢酸とプロピオン酸(0, 5, 10, 25, 50 mM)が分化誘導後初期(0, 1, 3, 6日目)にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることとした。その結果、酢酸とプロピオン酸は脂肪酸合成関連遺伝子発現量を濃度依存的に増加させた。これは、筋肉内脂肪細胞分化の初期に揮発性脂肪酸が脂肪酸合成経路に関与していることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要にも示したが、これまでの研究成果よりウシ筋肉内脂肪細胞におけるGPCR41およびGPCR43遺伝子発現量が低いことから、研究計画を変更した。そのために時間を要してしまった。しかしながら、ウシ筋肉内脂肪細胞分化初期における揮発性脂肪酸である酢酸とプロピオン酸の重要性について示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に実施した解析の再現性実験と脂肪酸組成の測定を実施する。また、揮発性脂肪酸(酢酸とプロピオン酸)の脂肪細胞分化初期の役割について、脂肪酸合成関連遺伝子、脂肪細胞分化関連遺伝子、グルコース取り込みに関わる遺伝子の発現量と中性脂肪蓄積量および脂肪酸組成などの詳細な評価を検討している。更に、揮発性脂肪酸の輸送体遺伝子に着目した解析も考慮する。
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Causes of Carryover |
GPCR41およびGPCR43に着目した研究(siRNA解析など)を変更したため、次年度使用額が生じた。実験計画変更に応じて、平成29年度以降の研究計画に使用予定であった研究費を執行する。 細胞培養や遺伝子発現量解析などの消耗品に使用する。
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