2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the role of volatile fatty acids in bovine intramuscular adipogenesis
Project/Area Number |
16K07997
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
溝口 康 明治大学, 農学部, 専任准教授 (80514158)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ウシ筋肉内脂肪細胞 / 酢酸 / プロピオン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はウシ筋肉内脂肪細胞分化における揮発性脂肪酸の影響を明らかにすることを目的としている。ウシ筋肉内脂肪前駆細胞株を用いて分化誘導をおこない、6日間培養した。令和元年度は、平成30年度に引き続き、揮発性脂肪酸である酢酸とプロピオン酸に着目し、両揮発性脂肪酸の異なる比率が脂肪細胞分化に及ぼす効果について調べた。更に、グルコースおよびインスリンの影響についても明らかにすることとした。中性脂肪蓄積量は、酢酸とプロピオン酸の混在存在下で増加したことから両揮発性脂肪酸は中性脂肪蓄積に関与していることを示唆した。脂肪細胞分化関連遺伝子発現量は、プロピオン酸のみの時に最も多かった。グルコース輸送体4遺伝子発現量はプロピオン酸のみの時に最も多く、グルコース輸送体1遺伝子発現量は酢酸およびプロピオン酸無存在下で最も多かった。このことより、両揮発性脂肪酸は脂肪細胞分化関連遺伝子発現やグルコース輸送体4遺伝子発現に異なる影響を及ぼすことを示唆した。グルコース含有及び不含における両揮発性脂肪酸の中性脂肪蓄積量への影響はほとんどなかった。インスリンが存在しない場合は、脂肪細胞分化が進行しないことを示唆した。今後は、本研究の追試をおこない、両揮発性脂肪酸・グルコース・インスリンの組み合わせによる脂肪細胞分化への影響を明らかにすること、メタボローム解析により両揮発性脂肪酸が影響を及ぼしている物質の同定を遂行する必要がある。
|