2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an intrauterine vaccination method using interferon to stimulate uterine mucosal tissues
Project/Area Number |
16K08044
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
彦野 弘一 岩手大学, 農学部, 准教授 (60355146)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ワクチン / ウイルス / アジュバント / 感染防御 / 胎盤 / 子宮 |
Outline of Annual Research Achievements |
経胎盤感染は、牛ウイルス性下痢(Bovine viral diarrhea:BVD)や馬鼻肺炎などの感染環において重要な位置を占めている。しかし、これらの家畜感染症に対する既存のワクチンは、経胎盤感染を効果的に阻止できない。本研究では、ウサギにおけるBVDウイルスの感染をモデルとして、経胎盤感染を阻止できる免疫手法を開発することを目的とした。そのために、子宮粘膜組織内の免疫細胞を活性化することが期待できるインターフェロンタウ(IFN-t)をアジュバントとし、不活化BVDウイルスとともにウサギに経膣(子宮内)投与し、子宮粘膜に誘導される免疫応答を解析することを計画した。 BVDウイルスの感染防御抗原であるE2タンパク質を大腸菌にて発現し、抗BVDウイルス抗体を定量するためのELISA系を構築した。また、インターフェロンγ遺伝子の発現を定量するためのリアルタイムPCR系を構築した。不活化BVDウイルスをBalb/cマウスの腹腔または子宮内に投与し、血清および子宮ホモジネートを採取した。しかし、陽性対照である腹腔内投与群の血清中に、抗E2抗体は検出されなかった。 本研究では、予備実験として、マウスを用いて不活化BVDウイルスの経膣(子宮内)投与に対する免疫応答を検討した。しかし、陽性対照である腹腔内投与群の血清中に抗E2抗体は検出されなかった。ELISAに用いた遺伝子組換えE2タンパク質は、中和試験により抗BVDウイルス抗体が含まれていることが確認されているウシ血清とも反応しなかったことから、ELISA緩衝液中において抗原性が失われていることが示唆された。この理由は不明である。以上の結果から、不活化BVDウイルスの経膣投与に対する粘膜抗体応答が解析できず、当初に計画されていたウサギを用いた免疫および感染実験に進むことができなかった。
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