2018 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of multi-fused aromatic compounds by sequential benzyne reactions
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16K08164
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
井川 貴詞 大阪大学, 薬学研究科, 准教授 (20453061)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | ベンザイン / ポリフェノール / フラン / 位置選択性 / 付加環化反応 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ポリフェノール類から見かけ上、ベンゼン環上に三重結合を複数有する超高反応性活性種ベンズマルチインを発生させ、その連続する位置選択的付加環化反応により複雑な多環式複素環骨格を構築することを目的としている。申請者は、市販のボロン酸やフェノール類を前駆体とし、NfF（ノナフルオロブタンスルホニルフルオリド）と炭酸塩又はリン酸塩を組み合わせて用いる新たなベンザイン発生法を開発し、これを連続ベンザイン発生に利用することに成功した。ポリフェノール類からベンザインを発生させるために、申請者は、芳香環上のフェノール性水酸基をNfFによって反応系中で活性化し、別途、ホウ素をジオール類にて活性化することで、ベンゼン環上に連続的に三重結合を発生させた。生じたベンザインの反応位置は、反応後に消失する活性化基や脱離基及び一段階目のベンザイン反応にて生じた骨格を活用することによって制御することができた。本法によれば、比較的複雑な多環式芳香族化合物を迅速に合成することが可能である。また、本研究の過程で、かさ高い置換基を用いるベンザイン反応の新たな位置制御法を開発し、不斉を有するらせん状分子を合成することにも成功した。更に、本反応の理論的な解析を最新の計算化学を用いて行い、本反応が配向基となる嵩高い置換基の分散力（疎水性相互作用）によって発現する極めて珍しい反応である事を証明する事ができた。申請者は、本反応を連続ベンザイン発生に組み込むことで、新たな生物活性複素環化合物を合成する有力な手法として開発することができた。
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