2017 Fiscal Year Research-status Report
ネフロネクチンによる制御性B細胞分化抑制機序の解明と新規自己免疫疾患治療法の開発
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16K08221
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
今 重之 福山大学, 薬学部, 教授 (90344499)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ネフロネクチン / カルシウム結合 / 制御性B細胞 / サンドイッチELISAシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
ネフロネクチン(Npnt)のカルシウム結合部位を明らかにするため、様々な遺伝子構築を作製し、293細胞に遺伝子導入することで上清から様々なNpnt変異体タンパク質を精製した。Npntのカルシウム結合部位の同定は、放射性同位体Ca45によるカルシウムオーバーレイアッセイにより進めた。NpntはEGFリピート、Link、MAM領域から構成されているが、モチーフ解析からCa2+結合部位はEGF内に存在することが推察された。しかしながら実際にはCa2+はEGFリピートとは結合せず、Linkと結合することが分かった。Link内をさらに細かくした変異体を作製することで解析を進めており、現在、合成できるペプチド長までCa2+結合部位を明らかにしつつある。近いうちに抗体作製に取りかかることができる。 Npntのカルシウム結合部位をCa45にて同定したら、次に当該部位が実際に細胞内Ca流入を抑制できることをFluo-4を用いた細胞内カルシウム流入試験により検討する。また制御性B細胞への影響を検討するために、脾臓細胞からB細胞を分離してB細胞活性化によるIL-10産生への影響を検討する。現在、それらの手技の確立も同時に進めている。 また当研究で作製したサンドイッチELISA系を用いることで、珪肺症患者と強皮症患者で血中Npnt発現が亢進していることが分かった。珪肺症患者や強皮症患者は、自己免疫が亢進している場合が多いことから、ヒトにおいてもNpntと免疫疾患との関与を示唆する結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年度に福山大学に赴任して、研究室のセットアップから開始する必要があり、研究機材の確保や試薬調整に多くの時間を要した。その後、実験を開始することができたが、初期の遅れを取り戻すことができていない。しかしながら、現在の実験経過は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
Npntのカルシウム結合部位をペプチド合成可能レベルまで同定し、そのペプチドに対する抗体を作製する。抗体は、まずはウサギポリクローナル抗体を作製するが、モノクローナル抗体の作製も検討する。得られた抗体を用いることで、制御性B細胞の関与が示唆されている実験的自己免疫性脳脊髄炎EAEモデルにおけるNpntのカルシウム結合部位の役割を明らかにする。
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[Journal Article] A Novel α9 Integrin Ligand, XCL1/Lymphotactin, Is Involved in the Development of Murine Models of Autoimmune Diseases.2017
Author(s)
Matsumoto N, Kon S, Nakatsuru T, Miyashita T, Inui K, Saitoh K, Kitai Y, Muromoto R, Kashiwakura JI, Uede T, Matsuda T.
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Journal Title
J Immunol.
Volume: 199
Pages: 82-90
DOI
Peer Reviewed
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