2016 Fiscal Year Research-status Report
うつ病におけるP2X7受容体及び亜鉛を介したシグナリングの協調的連関の変動
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16K08284
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
長澤 一樹 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30228001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 健太朗 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (20533805)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | P2X7受容体 / 亜鉛 / 亜鉛トランスポータ / アストロサイト / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では、アストロサイト初代培養系を用いたin vitro実験、並びにうつ病モデルマウスの作成プロトコールを確立するためのin vivo実験を行い、以下の成績を得た。 In vitro実験において、アストロサイトに対する非細胞傷害的な過酸化水素処置が、(1)細胞による亜鉛取り込み活性の増大を惹起し、それは高親和性及び低親和性取り込み機構のうち後者の実体であるZIP1の発現増大によること、(2)細胞の活性化に起因したその貪食活性の低下を引き起こし、それは細胞内遊離型亜鉛の増大を引き金としたP2X7受容体スプライスバリアント発現レベルの変動に伴ったP2X7受容体の細胞膜から細胞質への発現局在の変化によるその機能的発現の低下によることを明らかにした。 一方、in vivo実験では、既報に基づき、慢性軽度ストレス、拘束ストレス、水浸ストレス及び社会敗北ストレスを負荷したマウスにおけるうつ様行動の誘発を、強制水泳試験、open field試験、尾懸垂試験、social interaction試験及びスクロース溶液嗜好性試験により評価し、各ストレスの負荷条件及び行動学的評価法の条件を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vitro実験はほぼ予定通りの進捗状態であり、さらに確証を高めるための新たな実験系をこれまでにほぼ確立し、次年度にそれを実施する予定である。また、in vivo実験に関しては、うつ病モデルマウスの確立にいくつかの問題点も残っているものの、次年度の実験遂行に大きな影響を与えるものではない。これらのことから、おおむね順調に進展しているものと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
In vitro実験では、アストロサイトにおけるP2X7受容体の三量体形成が、酸化ストレスによるそのスプライスバリアントの発現変動により影響されることをタンパク質レベルで確認するとともに、その機能的発現変動が可逆的であるか否かを検証する。またZIP1に関しても同様に変化の可逆性を確認する。さらに、反復的な酸化ストレス負荷が与えるアストロサイトの機能性、並びにP2X7受容体及びZIP1の発現への影響についても検討する。 In vivo実験では、うつ病モデルマウスにおける味覚感受性の変化を行動学的並びに組織・分子生物学的に検討する。
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Causes of Carryover |
参加及び発表を予定していた国際学会(International Society for Zinc Biology 2016、イスタンブール)が治安の問題で開催中止となったため、ほぼその旅費分が繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に同国際学会が開催される予定であるが、キプロスでの開催のため参加発表は見送り、国内での学会・研究会への参加や、物品費、学術論文投稿料などに使用する予定である。
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Research Products
(10 results)