2019 Fiscal Year Annual Research Report
Risk factors for licorice-induced pseudoaldosteroism in practical use of Kampo-medicines
Project/Area Number |
16K08293
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本間 真人 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90199589)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抑肝散 / 低K血症 / 低アルブミン血症 / 周術期投与 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究結果から、抑肝散(YK)製剤による低カリウム(K)血症のリスク因子として、低K血症誘発薬剤の併用に加えて新たに低アルブミン(Alb)血症が明らかとなった。今年度は、低Alb血症の影響を検証するために、低Alb血症の頻度が高い周術期症例を追加するとともに、解析症例から低K血症誘発薬剤の併用症例と、術後せん妄には使用しない抑肝散加陳皮半夏の症例を除外してYKの低K血症への影響を検討した。 対象としたYK投与患者395名(男/女:210/185、年齢:69.6±15.6歳)のうち、94名(23.8%)がYK投与開始21日(1-1647日)後に低K血症を発症した(発症群)。発症群における周術期投与の割合は、低K血症を発症しなかった非発症群と比較して高く(30.9 vs. 14.6%,P<0.05)、低Alb血症の割合も高かった(52.1 vs. 37.9%,P<0.05)。COX比例ハザード解析より、低K血症のリスク因子として周術期投与が最も大きく(HR:5.89)、次いで減量せずに投与(1.89)、低Alb血症(1.88)、女性(1.82)の順であった。 YK投与患者(周術期投与の割合:18.5%)を対象に、低K血症のリスクを検討したが、リスク因子は昨年までの結果とほぼ同じであった。異なる点として、低K血症の発現率(23.8%)が2%上昇し、発現までの投与日数(21日)が3/4に短縮したことが挙げられる。YKの周術期投与が、認知症への投与よりも低K血症のリスクが高まり、短い投与期間で発現することを示唆している。
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Research Products
(5 results)