2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of therapeutic monoclonal antibodies aiming at an application and the immunosuppression to an allergic disease of Fingolimod
Project/Area Number |
16K08409
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
八木 秀樹 国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (40250740)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | FTY720 / アレルギー性皮膚炎 / S1PR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多発性硬化症の特効薬として承認されて、ブロックバスターになったフィンゴリモド(FTY720)のアレルギー疾患への適用拡大とその作用機序に類似した作用を示す新規抗体医薬品を目指したものである。近年、リンパ球の血液やリンパ液中への移出に関与することで注目されている脂質メディエーターの1つであるスフィンゴシン 1-リン酸(S1P)の受容体(S1PR)に着目し、我々はS1PR1-5に対する機能的モノクローナル抗体(mAb)の作製を試みてきた。既にS1PR1、S1PR2、S1PR3、S1PR5に対するmAb作製に成功してきた。これらに加え、新たにS1PR4に対するmAbを作製すべく鋭意研究を進めてきたが、今回はmAb作製成功には至らなかった。しかし、これらmAbで認識されるS1PRサブタイプのアレルギー発症メカニズムへの関与の検証を通じて、関与するS1PRサブタイプをあぶり出し、そのS1PRサブタイプに対するmAbをシーズとして抗体医薬品開発を行うことを念頭に置いている。 まず、1%オキサゾロン溶液をマウス背部皮膚に塗布することで感作し、耳介にオキサゾロン溶液を塗布することでアレルギー性皮膚炎を惹起できた。アレルギー疾患モデル動物作製に成功したので、次にフィンゴリモド投与による治療実験を構築した。この接触性皮膚炎モデルにおいて、FTY720(1 mg/kg)経口投与により皮膚炎が有意に軽減することを見出した。この時、FTY720投与群では、真皮層への細胞浸潤と真皮層の肥厚が有意に抑制されていた。この時、抗原を運搬する抗原提示細胞をFITC溶液の塗布により標識、解析したところ、表皮中のランゲルハンス細胞よりも真皮中の樹状細胞の方が、FTY720による遊走阻害を強く受けることが判明した。アレルギー性皮膚炎発症抑制にはFTY720の真皮樹状細胞遊走抑制によることが示された。
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Research Products
(8 results)