2019 Fiscal Year Annual Research Report
Substage-specific protein phosphorylations on chromosome axes during mammalian meiotic prophase I.
Project/Area Number |
16K08461
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
向後 寛 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20282387)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 減数分裂 / リン酸化 / モノクローナル抗体 / ポリクローナル抗体 / 非リン酸化型 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類の減数分裂に必須なタンパク質であるHORMAD1は複数のリン酸化修飾を受けることが知られているが、各リン酸化の機能的意義はほとんど明らかにされていない。昨年度までのHORMAD1のSer307周辺のリン酸化状態の解析では、Ser309のリン酸化についての解析が遅れたため、補助事業期間の延長を行い解析を継続した。今年度は、懸案だったSer309のリン酸化特異的ポリクローナル抗体の作製・精製を行うとともに、Ser307周辺の非リン酸化状態に特異的なポリクローナル抗体の作製・精製にも成功し、これらの抗体を用いた免疫染色により、減数分裂細胞におけるHORMAD1のリン酸化状態について局在および動態解析を行うことができた。その結果、第一減数分裂の全てのサブステージにおいてSer309のリン酸化はほとんど検出されず、これまでの解析では未確定だったディプロテン期染色体軸上のHORMAD1のリン酸化状態は、非リン酸化型であることが明らかになった。この最新の結果とこれまでの結果を統合すると、第一減数分裂前期の染色体軸上において、マウスHORMAD1が各サブステージに特異的なリン酸化状態を示すことが明らかになった。この結果は、減数分裂時の細胞周期の進行とともに、様々なリン酸化によってHORMAD1の機能が調節される可能性を示唆しており、非常に興味深い現象である。今後これらのリン酸化の機能的意義を明らかにすることが重要であると考えている。これらの結果について、日本分子生物学会および日本解剖学会で発表を行った。また現在論文として発表する準備を進めている。
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