2018 Fiscal Year Research-status Report
リアノジン受容体チャネル作動機構の原子レベルでの解明
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16K08507
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
村山 尚 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10230012)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リアノジン受容体 / カルシウムチャネル / カルシウムイオン / 筋疾患 / カフェイン / 筋小胞体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、筋小胞体のカルシウム遊離チャネルであるリアノジン受容体(RyR)の作動機構を原子レベルで明らかにすることを目的としている。そのため、分子内に多数存在する疾患変異の表現型解析を行い、最近得られた原子レベルに迫る高分解能構造モデルと照合することでチャネル作動機構の予測を行い、さらに予測に基づく人工変異導入による検証を行う。 平成30年度は前年度に引き続きCa2+およびカフェイン結合部位の機能解析を行うと共に、S1からS4の膜貫通領域および周辺部位の疾患変異体を作製して機能解析を行った。Ca2+およびカフェイン結合部位については、①カフェイン結合部位に存在するトリプトファン残基がCa2+結合部位を形成するC末ドメインのイソロイシンと疎水性相互作用することでCa2+結合ポケットを大きくして親和性を下げていること、②カフェインが結合するとトリプトファンの側鎖の向きが変わり、イソロイシンとの相互作用が切れることでCa2+結合ポケットが小さくなり親和性が増大すること、③カフェイン結合部位周辺の疾患変異はトリプトファンとイソロイシンの相互作用を低下させ、Ca2+感受性を増大することがわかった。この成果は論文発表した(Commun Biol, 1: 98, 2018)。 S1-S4の膜貫通領域および周辺部位の疾患変異を作製したところ、S1セグメントの後半からluminal loopにかけて機能低下型変異が数多く見られた。この結果については今後、人工変異を作製して検証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に当初予定していなかった領域(リガンド結合部位)の変異体の機能解析を行ったため、本年度に当初予定していたS1からS4の膜貫通領域および周辺部位の疾患変異体の結果に基づいた人工変異体の機能解析が完了しなかった。そこで、来年度まで期間延長を行い、完了させる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はS1からS4の膜貫通領域および周辺部位の疾患変異体の結果に基づいた人工変異体の解析を行い、リガンド結合からチャネル開閉に至る制御機構についてまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
検証用人工変異体の機能解析が終わっていなかったため、延長を行った。人工変異体の機能解析を行う。
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