2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel cardiac regeneration therapy using a bio-drug delivery system
Project/Area Number |
16K08562
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
伊井 正明 大阪医科大学, 研究支援センター, 講師 (10442922)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 心筋組織再生 / 幹細胞 / スタチン |
Outline of Annual Research Achievements |
赤色蛍光色素(DiI)でラベルしたヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞(human adipose-derived stem cell: hAdSC)(50,000個/マウス)を心筋梗塞誘発後3日が経過したマウスに尾静脈投与し、3日後の心筋組織を確認したところ、心筋梗塞巣に一致して多数のDiI陽性細胞が認められ、hAdSCがバイオDDSとして作用することが確認できた。 次に、①PBS投与(Control)群、②hAdSC(1x10^4/マウス)投与群、③シンバスタチン封入ポリマーナノ粒子(10μg/マウス)投与群、④シンバスタチン封入ポリマーナノ粒子抱合hAdSC(10μg/1x10^4/マウス)投与群に実験群を設定し、マウス心筋梗塞モデルを用いてその治療効果を比較検討した。心臓超音波検査による左室収能は、①群に比べて②③群では有意な改善効果は認められなかったが、④群では有意な改善が認められた。また、心筋梗塞誘発後1ヶ月の時点の心筋組織を解析したところ、④群では、瘢痕化した梗塞巣の心外膜側に新生肉芽組織が認められ、壁厚も比較的保たれていた。蛍光免疫染色による解析では、その肉芽組織は、多数のNkx2.5陽性細胞で構成される幼弱な心筋細胞の集団であることが判明した。さらに、術後と治療2ヶ月を経過したマウスの心臓において、本来梗塞部位となるべき部分に内因性と思われる再生心筋が認められた。今年度は、その心筋再生メカニズムを解明するため、心外膜由来細胞に注目し、胎生期発生関連因子のうちの1つであるWilms tumor-1 (WT-1)の発現を調べたところ、外膜を含めた梗塞部分の新生肉芽組織に増殖マーカー(Ki67)と共陽性になる細胞が多数認められた。以上のことから、心外膜由来WT-1陽性細胞が心筋細胞に分化し、心筋再生を誘発したことが示唆された。
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Research Products
(4 results)