2016 Fiscal Year Research-status Report
加齢依存的神経変性におけるアストロサイトとオリゴデンドロサイトでの自然免疫の役割
Project/Area Number |
16K08637
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
飯島 浩一 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, アルツハイマー病研究部, 室長 (50632535)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | グリア細胞 / 自然免疫 / 神経変性 / 老化 / ショウジョウバエ |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までに、Toll~Toll-9まで9種類のToll様受容体に対するRNAi系統を入手し、全グリア細胞特異的なGAL4系統であるRepo-GAL4を用いて、各遺伝子の発現を抑制し、神経機能や個体の寿命への影響などについて解析を行った。当初の計画では、アストロサイト、あるいはオリゴデンドロサイトに特異的なGAL4系統を用いて遺伝子発現操作を行う予定であったが、グリア細胞における各Toll様受容体の発現パターンが詳細に解析されていないため、まず全グリア細胞で各Toll様受容体の発現を抑制して解析することとした。クライミングアッセイ法を用いて、神経機能への影響を調べたところ、9種類のToll様受容体のうち4遺伝子について、その発現抑制により運動機能が有意に増悪することが示された。さらに、2遺伝子についてはヘマトキシリン・エオジン染色による評価により、脳組織の神経突起層(central neuropil)において神経変性が生じることが分かった。一方で、固体寿命への顕著な影響は見られなかった。 以上の結果より、少なくともグリア細胞において一部のToll様受容体の発現を抑制すると神経機能失調および神経変性が惹起されることが示され、脳内の自然免疫シグナル活性の低下が神経機能の維持や神経細胞の生存に関与する可能性が強く示唆された。さらに、本年度には各Toll様受容体の過剰発現体を入手するとともに、神経細胞でヒト由来のタウタンパク質を発現し、かつグリア細胞で各Toll様受容体の遺伝子発現操作を可能にする新規の系統を作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は当初の計画通り、新たに作製したタウ神経毒性モデルを用いて各Toll様受容体の発現をグリア細胞で操作することにより、タウの神経毒性、およびそれによって引き起こされる神経変性への影響を解析する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額 2,326円については、予算作成時の経費算出と研究費の執行段階での誤差の範囲内であると考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に繰越し、消耗品などの経費予算に組み入れる。
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[Presentation] Suatained activation of CaMKII caused by depletion of mitochondria from the axons enhances tau toxicity2016
Author(s)
Ando, K., Maruko-Otake, A., Hayashishita, M., Oka, M., Ohtake, Y., Sekiya, M., Saito, T., Hisanaga, S.I. & Iijima, K.M.
Organizer
Neuroscience 2016
Place of Presentation
San Diego
Year and Date
2016-11-13 – 2016-11-13
Int'l Joint Research
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