2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analyzing molecular basis and molecular targets for therapeutic application of adult T-cell leukemia / lymphoma by using proteomics
Project/Area Number |
16K08665
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本間 圭一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20505945)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 成人T細胞白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は成人T細胞白血病細胞株ATN-1と、組み換えHTLV-Iを感染させたT細胞から抽出した蛋白質をリン酸化アフィニティーカラムで精製し、iTRAQにより成人T細胞白血病細胞株で発現亢進が見られた蛋白質を3種類(ERK1/2, DUSP3, HMGB1)同定した。それぞれ実際の成人T細胞性白血病(急性型よびリンパ腫型)臨床検体における発現について免疫染色で検討し、いずれも実際の臨床検体でも発現の亢進を確認した。特に急性型でHMGB1の高発現が見られ、疾患subtypeにおける特異的変化の可能性が示唆された。次年度は臨床検体における遺伝子変異の有無を次世代シークエンスによって検討し既報と同様のRHOAの変異、STAT3の変異が高頻度に認められた他に、HMGB1に3例遺伝子変異が認められた。以上からSTAT3を対象にCHIP-seqを行ったところ、HMGB1遺伝子はATN-1ではSTAT3 bindingが認められた。最終年度はSTAT3変異体とSTAT3 wild typeにおける検討を行い、HMGB1遺伝子はSTAT3変異体においてのみプロモーター領域への結合が認められた。このことからSTAT3変異によるHMGB1の発現亢進およびHMGB1遺伝子変異と、成人T細胞白血病細胞、特に急性型の病型における造腫瘍性との相関について検討した。ヒトT細胞に変異STAT3と変異HMGB1を遺伝子導入し、ヌードマウスでの造腫瘍性を検討した。それぞれ単独では腫瘍形成が見られなかったが、両者をヒトT細胞に共発現させ、ヌードマウスの皮下に注射することで腫瘍が形成された。またHMGB1の機能を阻害するDHMEQによりヌードマウスの造腫瘍性は抑制された。このことからHMGB1が成人T細胞白血病の治療のターゲットとして有用であることが示された。
|