2016 Fiscal Year Research-status Report
誘導間葉系幹・前駆細胞の筋ジストロフィー治療への応用
Project/Area Number |
16K08725
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
鈴木 友子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 室長 (00342931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 伸一 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 遺伝子疾患治療研究部, 部長 (90171644)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 筋ジストロフィー / 間葉系幹細胞 / 細胞移植 / 多能性幹細胞 / 骨格筋前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
モデル動物の系では骨髄由来間葉系幹細胞は骨格筋組織に移植すると筋再生を促進することが報告されており、再生医療への応用が期待されている。本年度我々は正常ヒトiPS細胞から間葉系細胞の誘導を試み、間葉系幹細胞のマーカーの発現をFACSにて確認した。一方、ヒトiPS細胞から骨格筋系譜の細胞も誘導した。誘導した細胞はミオシン重鎖(MF20染色)陽性の多核の筋管を形成したが、筋分化しない細胞も混在した。骨格筋前駆細胞はFACS(CD56、CD82等)にて濃縮することが可能であった。培養液にTGFbeta阻害剤を加えると筋分化(myogenin発現と筋管形成)が顕著に促進され、また免疫不全筋ジストロフィーモデルマウス(NSG-mdx4Cv)の骨格筋への細胞移植効率を上げた。さらにγセクレターゼ阻害剤(NOTCHシグナルの阻害)も筋分化を中程度促進した。すなわち、ヒト多能性幹細胞から誘導される骨格筋前駆細胞の筋分化は、TGF-betaシグナル及びNOTCHシグナルによって強く抑制されていることが示唆され、筋ジストロフィーのヒトiPS細胞由来筋前駆細胞を用いた移植治療には、TGF-beta阻害剤とNOTCHシグナル阻害剤の併用が有効であると考えられ、今後移植による検討を行う予定である。我々がヒトiPS細胞から誘導を試みている間葉系幹細胞にもTGF-betaシグナルを抑制し、筋分化を促進する活性があるかどうか、骨格筋前駆細胞との共培養、マウス骨格筋への共移植により検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ヒトiPS細胞から誘導した間葉系幹細胞が、生体から調整される間葉系幹細胞と同様の活性を持つことがまだ確認できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
筋ジストロフィーにおいては繰り返す筋線維の壊死・再生により、筋衛星細胞・筋芽細胞の数と活性が著しく低下している。その点を考慮して、H29年度は、間葉系幹・前駆細胞を単独で筋ジスモデルマウスへ移植するのではなく、細胞の移植治療に期待されている多能性幹細胞から誘導した骨格筋前駆細胞との共移植を行い、その筋再生促進効果を中心に検討していく。 具体的には以下の実験を中心に研究を進めていく予定である。 1.引き続きヒトiPS細胞からの間葉系幹・前駆細胞の誘導とその評価(遺伝子発現、細胞表面マーカー発現、骨、脂肪、軟骨への分化能等)を行う。 2.誘導した間葉系幹・前駆細胞が筋分化を阻害するTGF-betaシグナルに拮抗するfactorを出しているかを検討する。 3.共培養やコンディショナルメディウムを用いて骨格筋前駆細胞の筋分化能に与える影響を検討する(in vitro)。 4.マウス骨格筋への共移植を行い、その効果を評価する(in vivo)。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Induction of pluripotent stem cells from a manifesting carrier of Duchenne muscular dystrophy and characterization of their X-inactivation status2017
Author(s)
Yuko Miyagoe-Suzuki, Takashi Nishiyama, Miho Nakamura, Asako Narita, Fusako Takemura, Satoru Masuda, Narihiro Minami, Kumiko Murayama, Hirofumi Komaki, Yu ichi Goto, Shin’ichi Takeda
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Journal Title
Stem Cells International
Volume: 2017
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Cell-Surface Protein Profiling Identifies Distinctive Markers of Progenitor Cells in Human Skeletal Muscle2016
Author(s)
Uezumi A, Nakatani M, Ikemoto-Uezumi M, Yamamoto N, Morita M, Yamaguchi A, Yamada H, Kasai T, Masuda S, Narita A, Miyagoe-Suzuki Y, Takeda S, Fukada S, Nishino I, Tsuchida K
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Journal Title
Stem Cell Reports
Volume: 7
Pages: 263-278
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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