2017 Fiscal Year Research-status Report
レトロウイルス誘発がん制御におけるB細胞TLR7シグナルの重要性
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16K08749
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
河原 佐智代 梅花女子大学, 食文化学部, 教授 (60297629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本園 千尋 九州大学, 医学研究院, 助教 (10642910) [Withdrawn]
宮澤 正顯 近畿大学, 医学部, 教授 (60167757)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | B細胞 / TLR7 / 内在性レトロウイルス / 中和抗体 / レトロウイルス誘発がん |
Outline of Annual Research Achievements |
HIV感染症では感染初期にウイルス複製が十分阻止されずに慢性持続感染が成立してしまうため、最終的にエイズ発症に至る。よって感染早期にウイルスを逸早く中和し、プロウイルスの細胞ゲノムへの組込みをいかに早く食い止めるかがレトロウイルスの慢性持続感染の制御には重要となる。 我々は、レトロウイルス感染制御には細胞傷害性T細胞ではなく、B細胞を介した迅速な免疫反応が有効且つ重要であることをマウス感染モデルを用いて明らかにしてきた。最近、レトロウイルス誘発がんの発症阻止にはB細胞におけるTLR7シグナルが必要不可欠であるということを見出し、本研究ではレトロウイルス感染制御におけるB細胞TLR7シグナルの役割についての解析を進めている。B細胞TLR7を欠いた個体でもウイルス特異的Th細胞の早期活性化により中和抗体を誘導することで、外来性レトロウイルス感染を検出限界以下にまで制御できることから、B細胞TLR7欠損個体のレトロウイルス誘発がんの発症は、中和抗体誘導の欠如あるいは低下によるものではないと推定された。本年度は、その発がんのメカニズムを明らかにするために、レトロウイルス誘発がん発症個体からがん細胞を樹立し、がん細胞の特徴、それら細胞における内在性あるいは組換え型レトロウイルス産生の有無、ゲノムに組み込まれたプロウイルス構造の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
がん化細胞の樹立・蓄積に時間を要すること、また、がん細胞からの内在性あるいは組換えレトロウイルス産生の有無をマウス個体への移入実験から確認する試みをしており、発症までの期間が数ヶ月と長いことから、本研究の進捗は当初の計画よりやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の実験計画に従って、来年度も実験を進める。
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Causes of Carryover |
謝金に充てた予算が今年度は不要であった。 本年度未使用金は来年度使用予定額と併せて、主に物品購入と論文校正・発表費に充てる計画である。
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