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2017 Fiscal Year Research-status Report

大腸菌抗原変化のメカニズム解明と多様化した糖鎖抗原の機能について

Research Project

Project/Area Number 16K08780
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

井口 純  宮崎大学, 農学部, 准教授 (00437948)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords大腸菌 / 抗原コード遺伝子 / O抗原 / H抗原
Outline of Annual Research Achievements

抗原変化の遺伝学的な組換えメカニズムの解明を目指した研究に取り組んだ。
O抗原については、多種類のO群が密集するST(Sequence type)10に注目し、ST10に属する異なるO群の20株についてドラフトゲノムをMiseqシステムなどにより取得し、詳細な比較解析を進めた。さらに、他研究で使用した腸管毒素原性大腸菌のドラフトゲノム(約360株)の情報も参考にしながら、ST10またはその近縁に属する菌株の情報を加えた領域比較およびbackbone領域を用いた詳細な進化系統解析を実施した。
一方、H抗原(鞭毛抗原)の多様性に関する研究にも取り組んだ。全H型(H1からH56)参考株のfliCの塩基配列を集取して比較したところ、多くのfliC(抗原コード遺伝子)は相同性が最も近いものであっても90%以下であるのに対し、H1とH12の相同性は98%と近似していた。そこでH1とH12に注目し、複数のH1株およびH12株を収集してfliCの配列を決定して比較したところ、多様性領域に22箇所のSNPを確認し、そのうちの9箇所がアミノ酸置換を伴うSNPであった。現在、いずれのSNPが抗原性の違いを生み出しているのかを確認するため、塩基置換株を作製に取り組んでいる。
また、「O抗原糖鎖の機能性検証」の準備研究として、健康なヒトから分離される大腸菌のO群分布を調査した。菌株は大阪市立環境科学研究所の協力により積極的疫学調査などで分離された健康人由来大腸菌約400株(1個人から最大3株)を収集し、我々がこれまでの開発したほぼ全てのO群を判定出来るPCR法(E. coli O-genotyping PCR)を用いて判定したところ、Og1、Og21、OgGp10(O13/O129/O135)、OgGp15(O89/O101/O162)などが主要O群であることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実施計画に掲げた「抗原変化の遺伝学的な組換えメカニズムの解明」のゲノム解析と、「O抗原糖鎖の機能性検証」の準備研究である健康なヒトから分離される大腸菌のO群調査が概ね実施できた為。

Strategy for Future Research Activity

これまでのゲノム情報の比較解析を基に、O抗原とH抗原の抗原的多様性を生み出している変異の種類や遺伝学的なメカニズムの検証を実施し、抗原の機能性や作用などの解明に取り組む。さらに、O抗原糖鎖の機能性の検証では、病原性大腸菌の主要なO群(O157、O26、O169など)とヒト常在性大腸菌の主要なO群(O1、O21、O13、O162)についてLPS-O抗原の精製を行い、免疫細胞などを用いた機能性評価に取り組む。

Causes of Carryover

学会発表などの回数が予定していたよりも少なかったため、旅費などの費用を次年度に使用することにした。次年度使用額は旅費または消耗品(試薬類など)に充てる予定である。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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