2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the molecular machinery of host recognition by the Clostridium botulinum type C and D neurotoxin-converting phages
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16K08785
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
阪口 義彦 北里大学, 医学部, 講師 (70403491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 俊治 北里大学, 医学部, 教授 (40260765)
加藤 はる 国立感染症研究所, 細菌第二部, 室長 (00273136)
大宮 直木 藤田医科大学, 医学部, 教授 (00335035)
内山 淳平 麻布大学, 獣医学部, 講師 (20574619)
妹尾 充敏 国立感染症研究所, 細菌第二部, 主任研究官 (20646624)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ボツリヌス菌 / 人畜共通感染症 / ボツリヌス症 / ボツリヌス毒素遺伝子 / バクテリオファージ / 水平伝播 / 構造タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ボツリヌス菌は、グラム陽性で酸素の存在下では増殖できない偏性嫌気性菌で、芽胞を形成し土壌や河川などの自然界で広く分布している。本菌は、強力な神経毒素(ボツリヌス毒素)を産生し、ヒトや家畜(ウシ、トリなど)に重篤な感染症(ボツリヌス症)を引き起こす。生産現場である農場で、ボツリヌス症のアウトブレイクが起きると、生産者への経済的な損失や消費者への食の安全に対する不安感を助長させる。従って、農場におけるボツリヌス菌の感染制御は緊急な課題である。ボツリヌス菌は、産生するボツリヌス毒素によりA型~G型菌に分類されている。その中で、C型菌はトリに、D型菌はウシにボツリヌス症を引き起こす。原因となるC型とD型ボツリヌス毒素の遺伝子は、バクテリオファージ(ファージ)により伝播されている。その伝播を阻害することにより、畜産・食品への被害を抑えるのに有効であると考えた。しかしながら、ファージのボツリヌス菌(宿主菌)への吸着メカニズムは未だ明らかでない。今年度は、昨年度に引き続きC型とD型ファージ(c-468ファージ、d-1873ファージ、d-4947ファージ、c-6813ファージ、d-saファージ)ゲノムの全塩基配列の決定を行い、得られたゲノム情報を基にファージの構造タンパク質を特定し、その中で遺伝子間での相同性解析を行い、数種のファージ尾部吸着分子と予想される遺伝子を推定した。当該遺伝子産物の発現・精製を行なうため、複数の発現系について条件検討を行ったが、2つの遺伝子については、大腸菌を用いた発現系では宿主である大腸菌の培養ができなかった。このことは、ファージ由来溶菌酵素が大腸菌を溶菌した可能性を示唆している。また、他の推定した種々の遺伝子については、現在、遺伝子産物の発現・精製を行っており、得られた組換えタンパク質のボツリヌス菌に対する特異的吸着性を調べるため、環境を整えている。
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Research Products
(7 results)