2017 Fiscal Year Research-status Report
自殺予防介入の普及と適応に関する研究ガイダンスの開発
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16K08899
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米本 直裕 京都大学, 医学研究科, 助教 (90435727)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自殺予防 / 臨床研究 / 系統的レビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
普及と適応に関する研究ガイダンス案の作成を行った。前年までの調査を元にガイダンスの大項目、中項目、構成の概要案、概念モデル案の作成と検討を行った。これらについて、日本および世界で自殺予防の実践活動を行う、精神科医、臨床心理師、ソーシャルワーカー等に対して予備的なインタビューを行い、フィードバックを得た。さらに、国際自殺予防学会、日本自殺予防学会に参加し、情報収集を行った。 昨年度に継続して、我が国および海外での自殺予防介入の普及と適応の事例として、ゲートキーパー研修、妊産婦への対策について、文献データベース(Pubmed, Psychlit, 医中誌、Cinii等)、インターネット(Google、Google scholar等)を用いた系統的レビューによる検索を行った。該当する報告を収集し、研究デザインや統計学的事項の課題を検討を行った。日本を対象としたレビューにおいて、日本の自殺対策基本法、大綱の施行との関係について分析した。基本法、大綱の施行後に、報告が増加し、対策が実施されていったことが示された。ただし、対策に対する評価が十分ではない可能性が示唆された。 我が国における妊産婦の自殺行動、自殺予防対策についての系統的レビューを行った。報告は自殺予防に関する報告全体の1%程度と少なく、内容も総説や症例報告がほとんどであった。さらに、欧米で開発された普及と適応のガイダンスの日本語化を行った。現在、翻訳の確認作業を行っている。また他の領域での普及と適応に関する研究の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガイダンスの概念モデルについては、概要、構成案までが作成できた。 我が国での自殺予防介入の普及と適応の事例として、ゲートキーパー研修、妊産婦への対策について収集および分析を行い、国際学会、国内学会で報告した。 国際的な事例について、ゲートキーパー研修については、収集、分析作業がほぼ終了した。今年度、国際学会で報告、論文化の予定である。 妊産婦については、分析作業を行っており、年度内には終了する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、普及と適応に関する研究ガイダンス案の作成を、継続して行い、ガイダンス案の検証を行う。自治体等の自殺予防対策担当者、自殺予防対策の専門家、精神医療関係者、NPO関係者等、数名にガイダンス案の妥当性を検証する。必要に応じてガイダンス案の追記、修正を行う。研究デザイン、分析での課題といった介入の質の評価に関する改善案を検討する。ガイダンス案の項目、構成、内容について検証する。さらに、必要に応じガイダンスの修正を行い、ガイダンスを完成させる。
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Causes of Carryover |
昨年度の計画で実施できなかった分を今年度に実施したため。
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Research Products
(2 results)