2019 Fiscal Year Annual Research Report
The clinical application of the new taxane resistance marker
Project/Area Number |
16K08950
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
田中 覚 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50595741)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | タキサン / 耐性 / 乳癌 / STMN1 / PPIA / ABCB1 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌細胞株MCF-7よりタキサン系抗がん剤(パクリタキセル)耐性株を樹立し、耐性に関与するタンパク質をプロテオーム解析により探索を行った。その結果、STMN1およびPPIAが耐性獲得に大きく関与することが示唆された。本研究ではこのタンパク質が耐性獲得マーカーとして臨床応用できるかを検討することを目的として開始した。 まずPPIAの検討を行った。PPIAのsiRNAによるノックダウン実験では、MTTアッセイより耐性株での薬剤耐性が一部改善していることが確認された。これによりPPIAが乳癌細胞におけるパクリタキセル耐性の関連タンパク質の1つであることを証明され、論文報告をおこなった(Oncol Lett.2017;13:289-295)。 また本年度より我々は抗がん剤耐性機序の一因として知られるABCB1に着目し研究を進めてきた。ABCB1は膜蛋白トランスポーターの一つであり、薬剤を細胞外に排出することで耐性を得ることが知られている。まず乳癌細胞株及び耐性株においてWB実験/RT-PCRを用いてABCB1の発現を確認したところ、耐性株においてRNA/タンパクレベル共にABCB1の発現が優位に上昇していることが確認された。 現在、我々は耐性株におけるABCB1発現上昇メカニズムをmicroRNAの観点から探索を行っている。次世代シーケンサー解析(NGS)でこの機序に関わるmicroRNAを一部同定しており、今後詳細検討行う予定である。またNGSで優位に変化を認めたmicroRNAの一部同定に成功しており、このmicroRNAと結合する可能性の高いタンパク質から耐性獲得機序を解明していくこととした。本研究期間にて臨床応用できるかどうかの検討までには至っていないものの、今後、臨床応用できる可能性のある基礎的な解析は進めることができた。
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