2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study of end-of-life medical needs in psychiatric hospitals
Project/Area Number |
16K09182
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小林 聡幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (70296101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 暢是 自治医科大学, 医学部, 助教 (60742864)
須田 史朗 自治医科大学, 医学部, 教授 (40432207)
塩田 勝利 自治医科大学, 医学部, 准教授 (40398516)
安田 学 自治医科大学, 医学部, 講師 (40468343)
齋藤 慎之介 自治医科大学, 医学部, 講師 (40726288)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 精神科病院 / 院内死亡 / 身体合併症 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去20年間の死亡診断書調査は、そのデータの一部を、小林聡幸、斎藤暢是、佐藤謙伍、須田史朗:単科精神科病院の院内死亡の高齢化─栃木県三地域病院の死亡診断書調査.栃木精神医学、39:23-29、2019で報告し、高齢化が進んだ地域では、精神科病院が認知症を呈した高齢者の看取りの場所として機能している可能性があること、他方、総合病院などの地域資源のある地域では、身体疾患の治療や身体疾患での看取りは精神科病院で行うことなく、分業外まだできている実態があることを、シェーマとして示した。調査可能だった16病院のデータについては齋藤暢是、佐藤謙伍、小林聡幸、須田史朗:院内死亡の高齢化―単科精神科病院の死亡診断書調査.第115回日本精神神経学会、新潟、2019年6月21日で報告した。県全体の傾向としては、身体疾患の治療や看取りをかなり精神科病院で担わなければならない実態が明らかになった。2年間にわたる前方視的調査はデータの取得を進め、安田 学、小林聡幸、齋藤暢是、須田史朗:精神科病院長期入院患者はどのような身体疾患で転院しているか―栃木県内19病院の前方視的調査.第73回栃木県精神医学会、宇都宮、2020年2月22日として発表した。転院理由の上位3疾患は消化器疾患、呼吸器疾患および骨折であるが、これらは老年期における、いわゆるフレイルと密接に関連していると思われた。他方、治療後再びもとの精神科病院に戻っている患者は約6割であった。死亡については呼吸器疾患、循環器疾患、悪性新生物、消化器疾患が上位で、詳細不明の死亡も少なからずあった。精神科病院では一般社会同様にフレイル対策や生活習慣病を含む高齢者の慢性疾患対策が必要と思われること、老人病院と精神科病院のベッド数の調整をするか、精神科病院である程度の内科的対応ができるような医療充実策をとるかの対応が必要と思われる。
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