2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K09222
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
奥田 貴久 日本医科大学, 医学部, 准教授 (20620305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤石 諭史 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10373010)
早川 秀幸 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (10373052)
高成 広起 徳島大学, 病院, 特任講師 (70723253)
秋元 正宇 日本医科大学, 医学部, 教授 (90287673)
奥山 みなみ 大分大学, 医学部, 助教 (50756781)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生体シミュレーション / 応力 / 心嚢破裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
心肺蘇生術を施行された事例の剖検や死亡時画像診断では、心嚢破裂の所見を認めることがある。従来これらは、胸部圧迫に伴う胸骨・肋骨骨折による二次的損傷と考えられていた。近年我々は、急性心タンポナーデ下に胸部圧迫を加えたところ胸骨・肋骨の損傷なしに心嚢が破裂し大量血胸となった事例を報告した。本研究では、コンピューターシミュレーションによって急性心タンポナーデ下で胸部圧迫時に心嚢に加わる力学動態を解析し、心嚢破裂発生機序を明らかにすることを目的としている。昨年度にカニクイザルを用いて心臓カテーテル法にて冠動脈を人工的に穿孔させ心タンポナーデモデルを作成し、すぐに造影剤を注入したCT画像を撮影し心臓・心嚢を含む縦隔周辺のCTデジタルデータを得た。本年度は以下の研究を行った。
【2次元FME解析モデルの作成】死後画像診断を撮影し、axial viewの画像を得た。胸部CTスキャンデータから、2次元のFEM解析を行うにあたり平面ひずみ状態であることを仮定し、4角形1次平面ひずみ要素を使用した。胸骨・肋骨・背骨を除く臓器は、非圧縮性材料なのでゴム材料として表現した。低ひずみ領域で、ポアソン比 0.499相当とした。心嚢はOgdenモデル、心筋・縦隔はNeo-Hookeanモデルとした。心嚢は、内部の血圧により膨張するため、形状をコントロールする目的で高ひずみ領域で剛性が高くする必要があり Ogdenモデル で合わせこんだ。拘束条件については縦隔と脊椎は完全拘束(完全剛体結合)、縦隔と心嚢は固定。
【胸部圧迫に伴う心嚢破裂発生の予測解析】コンピューターシミュレーションプログラムADINAを用いて実際に心嚢にかかる最大応力の部位・向き・大きさなどのデータを得た胸部圧迫として10-40mmHgの荷重を加えた。心筋の内部及び外部 や 心嚢の内部の血圧を圧力荷重として構造解析で計算した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
難易度が高いと予想されたシミュレーションモデル作成を行うことができたので。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータを解析し、実際に起こっている状況を推察する。積極的に学会発表を行い、論文を投稿することを目指す。
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Causes of Carryover |
予定していた論文作成に時間がかかったため、校正依頼をかけられなかったので、次年度に使用する予定である。
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