2018 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring the new role of GABA on water diuresis and renal protection
Project/Area Number |
16K09658
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
谷田部 淳一 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10566681)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | GABA / 利尿 |
Outline of Annual Research Achievements |
GABAの受容体には大きく分けて3種類あり、GABA-AおよびGABA-C受容体はクロライドを通す5量体のチャネル型受容体であり、GABA-B受容体はドパミン受容体と同様にG蛋白共役型で、Giとcoupleしている。GABA-B受容体R1とR2のうち、R2が特に尿細管で強く発現していた。またこのGABA-B R2受容体はアクアポリン2と共局在を示すことから、集合管の主細胞に発現していると考えられる。AVPのV2受容体がGs-coupledなのに対し、GABA-B受容体はGi-coupledであることから、GABA-B受容体がcAMPの産生を抑制することでAVPのシグナルを抑え、水利尿に働く可能性が示唆された。集合管系統の培養細胞、MDCKを用いGABA-Bアゴニストであるバクロフェンの作用をみたところ、バクロフェンはフォルスコリンによるcAMPの増加を抑制した。 続いて、アゴニストであるGABAが腎臓にどの程度存在するのか検討を行っている。尿中のGABA濃度はμMオーダーで、ヒトでもラットでも血漿中の約数百倍あり、相当量含まれることが分かった。血中のGABA濃度は高血圧モデルラットSHRではコントロールのWKYに比べて低いという知見もあり、血圧との関連についてさらに検討を加える予定である。 また、GABAのみならず他のアミノ酸についても尿中濃度を検討した。食塩負荷をすると尿中に排泄されるアミノ酸が増加し、血中濃度が下がるアミノ酸が多かったが、リジンはWKYにおいて唯一食塩負荷後に血中濃度が上昇することが示された。また、高血圧モデルSHRでは、lysineの血中濃度もWKYにくらべ低いことが分かった。リジンはピペコリン酸に代謝されることによってGABA系シグナルを修飾することが知られている。体内でのリジン代謝を検討することによって、本研究が更に進展する可能性がある。
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