2018 Fiscal Year Research-status Report
子どものマルチモーダル言語情報処理の神経基盤の解明と言語発達パラメータの開発
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16K09991
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
實藤 雅文 九州大学, 環境発達医学研究センター, 特任准教授 (50467940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊良皆 啓治 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (20211758)
山下 洋 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (20253403)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 発達 / 言語情報処理 / 眼球運動追跡装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、眼球運動追跡装置を用いて、マルチモーダル(多様な)言語情報処理の神経機構を子どもの発達という観点から明らかにすることである。九州大学でフォロー中の200人を超える子どもの前向きコホート集団を対象として、平成28年度までに2歳時点での検査が完了し、引き続き4歳、6歳と2年ごとに検査を実施する予定である。これらの長期的な計画の中で、平成30年度には下記の実績を得ることができた。
1.平成29年度初めから4歳時点でのデータ収集を開始し、平成30年度も継続し、2年間で計200人を超える参加者の検査を完了することができた。これには、言語情報処理課題から得られる情報を補完・補足するための注意実行機能を測定する課題も含まれる。つまり、2歳で実施した課題は4歳時点でも実施可能であることを多人数で確認することができ、かつ2歳時点と4歳時点での結果とを比較検証し、発達という観点で解析することが期待できると考えられた。さらに利き手の調査も完遂し、優位脳との関連も検証する下地が整った。
2.複数個の課題を設定したが、そのうちの1つについて、子どもとの比較検証のために採取した右効き成人54人のデータを用いて、視空間認知課題の解析を完了し発表することができた。具体的には、言語情報処理は左脳優位、視空間認知は右脳優位と考えられており、言語情報処理と対をなす視空間認知の能力を、子どもでも有効に検知し、成人とも比較できる研究システムを確立することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設定した複数個の課題全てについて、対象となる4歳全員に検査を完了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2歳と4歳で収集したデータを、平成31年度は解析する予定である。上述した成人のデータとも比較し、その神経生理学的意義を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
本研究について、十分なデータが揃うまで解析と発表を控えていたため、解析ソフトの経費、旅費、印刷費が余剰となり繰り越すことになった。平成31年度は解析と発表を推進・完遂する計画で、これらの経費が必要となり、国際学会でのポスター発表、査読付き英文誌への投稿を考えている。
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Research Products
(10 results)