2018 Fiscal Year Annual Research Report
Selective antibacterial activity of peptide nucleic acid against Streptococcus pneumoniae
Project/Area Number |
16K10016
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大塚 岳人 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20772007)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肺炎球菌 / アンチセンス / ペプチド核酸 / 必須遺伝子 / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「細菌性肺炎・中耳炎の主要起炎菌である肺炎球菌に対するアンチセンス療法(ペプチド核酸:Peptide Nucleic Acid 【PNA】)の開発」に向けた基礎研究である。 実際には①肺炎球菌のPNAに対する感受性測定、②PNAが常在菌叢には影響を及ぼさな いこと、③すべての肺炎球菌莢膜型をカバーすること、④バイオフィルム内の肺炎球菌にも効果があること、⑤PNA耐性メカニズムを解明すること、などを3年かけて研究した。 PNA基礎配列や膜貫通性ペプチドの組み合わせなどに改良を加え、合計26種類のPNAを設計し①肺炎球菌のPNAに対する感受性測定を行った。その結果、抗菌作用の高いPNA(RFR-acpP-PNA2S)を同定できた(MIC 5μmol/L)。当該PNAは実験標準株4株に対して同等の抗菌作用を示した。 続いてRFR-acpP-PNA2Sを用いた④のバイオフィルム実験を行った。ヒト気道上皮細胞(H292 cell)をベースとしたバイオフィルム作成後に、PNAを曝露させその抗バイオフィルム作用を測定した。しかし、RFR-acpP-PNA2S濃度を40μmol/Lまで上げても抗バイオフィルム作用を認めなかった。 上記に並行して⑤PNA耐性メカニズムを解明するために、PNA存在下で継代培養し耐性を誘導した株を分離した(MIC 20μmol/L)。耐性株と親株とのゲノム比較で責任遺伝子を推定し、ノックアウト株を作製する予定であったが、シークエンス結果には有意な変異を認めず、当該耐性株は遺伝子発現量の差異による耐性化と判断した。
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