2017 Fiscal Year Research-status Report
川崎病発症に関与する複数スーパー抗原解明への新たなアプローチ
Project/Area Number |
16K10072
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 啓之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80196865)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 崇 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10246522)
末永 智浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70433365)
垣本 信幸 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90614412)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 川崎病 / スーパー抗原 / 遺伝子水平伝播 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的:我々は、KD急性期患児の便中DNA分析から、本来St.pyogenes (GAS)が保有するスーパー抗原(SAg)遺伝子が有意に多く検出されることを明らかにした(J Pediatr 2009;155:266-270)。この新たな知見に基づき、口腔・咽頭に存在し、病因への関与が想定していない常在菌(主にレンサ球菌)に、本来GASが保有するSAg遺伝子のtranferの可能性を想定し、そのSAg遺伝子を保有する細菌種を同定し、KD発症への関与を解明することが目的である。この1年間は、以前からストックしていた咽頭菌についても検討した。 平成26年10月から平成29年4月までに川崎病診断基準を満たして当院に入院した川崎病患児75例を対象とした。入院時時に咽頭ぬぐい液を採取して、液体培地(Brain-Heart Infusion Broth)を用いてovernightで増菌培養し、DNA Mini Kit (QIAGEN)を用いて全DNAを抽出し、4つのスーパー抗原遺伝子(SPE-A, SPE-C, SPE-G, SPE-J)断片についてPCRで検討した。
当初は陽性率が低かったので様々なPCRの条件を変更し、Tmを45℃に変更することでスーパー抗原遺伝子断片の検出率がかなり改善された。その結果、75例中、個々のスーパー抗原遺伝子について陽性例は、SPE-A:4例、SPE-C:8例、SPE-Gが18例、SPE-Jが4例、と陽性症例が増加した、2つ以上のスーパー抗原遺伝子が検出されたのは4例で、SPE-AとSPE-Jが1例、SPE-AとSPE-Gが2例、SPE-CとSPE-Gが2例であった。得られた咽頭培養液を-80°に保存した。PCR陽性反応の出た培養液を用いて、スーパー抗原遺伝子を持つ菌の菌種同定へ進めたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規に発症した川崎病症例の組み入れは順調であるが、スーパー抗原遺伝子検出率が悪く、培養方法、PCRの条件設定を模索する必要に迫られ、難渋している。しかし、最近、漸く検出率が改善できるPCR条件設定を見出したので、過去の症例に遡って再検討中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
最近見出したPCR条件設定によって、スーパー抗原遺伝子断片の検出率は改善しており、遅れを挽回すべく実験を進めている。
|
Causes of Carryover |
PCR反応の条件(各種スーパー抗原検出のための最適Tm値)設定を、再検討する必要が生じたため、研究に遅れを生じている。このため、次年度使用額が生じた。しかし、PCR検出率が改善したので、次年度ではスーパー抗原検出のためのPCR反応と菌種同定に使用する予定である。
|
Research Products
(10 results)
-
[Journal Article] Nationwide Survey of Patients With Giant Coronary Aneurysm Secondary to Kawasaki Disease 1999-2010 in Japan.2017
Author(s)
Fukazawa R, Kobayashi T, Mikami M, Saji T, Hamaoka K, Kato H, Suzuki H, Tsuda E, Ayusawa M, Miura M, Ebata R, Kobayashi T, Yashiro M, Ogawa S.
-
Journal Title
Circ J.
Volume: 82
Pages: 239, 246
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Male-specific association of the FCGR2A His167Arg polymorphism with Kawasaki disease.2017
Author(s)
Kwon YC, Kim JJ, Yun SW, Yu JJ, Yoon KL, Lee KY, Kil HR, Kim GB, Han MK, Song MS, Lee HD, Ha KS, Sohn S, Ebata R, Hamada H, Suzuki H, Ito K, Onouchi Y, Hong YM, Jang GY, Lee JK; Korean Kawasaki Disease Genetics Consortium.
-
Journal Title
PLoS One
Volume: 12
Pages: e0184248
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-