2017 Fiscal Year Research-status Report
Mechanistic studies to analyze the pathophysiology of ISSNS in children
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16K10073
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
金井 孝裕 自治医科大学, 医学部, 准教授 (00398504)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小児特発性ステロイド感受性ネフローゼ症候群 / 脂質 / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児慢性腎疾患において世界的に重要な位置を占める、小児特発性ステロイド感受性ネフローゼ症候群(以下、小児ISSNS)の病態解明に寄与する知見を得て、その発症予防・治療薬の開発を促進させる知見を得ることを目的とする。このために、小児ISSNSに対する転写因子STAT5Bの関与・役割を解明することを、試みた。 小児ISSNS患者は、蛋白尿とともに、(1)高脂血症 (2)血小板数増加 (3)高IgE血症 (4)制御性T細胞数増加、を呈する。これまでの小児ISSNSに関する研究で、小児ISSNSの徴候を網羅的に解析するものは、少ない。このため、今回、この小児ISSNSの徴候を網羅的に説明しうる病態を明らかにすることを試みた。STAT5Bは、(1)-(4)の遺伝子発現を制御している。また、STAT5Bは、IL-7刺激を受けて、活性化されるが、申請者は、血中IL-7濃度が、他のネフローゼ症候群と異なり、小児ISSNSのネフローゼ期に上昇することを報告した。 小児ISSNS罹患児の、①ステロイド治療開始前ネフローゼ期 ②全治療終了後寛解期 の、末梢血をもちいて、抗ヒトSTST5B抗体を用いてChIP-seqを行った。検体①と②で、STAT5Bの結合量に差のある遺伝子を検出した。この検出した遺伝子の中に、免疫機能を制御する遺伝子、脂質代謝を制御する遺伝子を検出した。 次年度は、上記の遺伝子発現量の差を、q-PCRで、続いて、たんぱく定量で確認を行う。これらにより、小児ISSNS関連遺伝子・たんぱくを同定したのちに、その下流にある病態を探索する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小児ISSNS罹患児の、①ステロイド治療開始前ネフローゼ期 ②全治療終了後寛解期 の、末梢血をもちいて、抗ヒトSTST5B抗体を用いてChIP-seqを行った。検体①と②で、STAT5Bの結合量に差のある遺伝子を検出した。この検出した遺伝子の中に、免疫機能を制御する遺伝子、脂質代謝を制御する遺伝子を検出した。
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Strategy for Future Research Activity |
検出した遺伝子の発現量を、q-PCR法で、続いて、たんぱく定量を行い、確認する。これらにより、小児ISSNS関連遺伝子・たんぱくを同定したのちに、その下流にある病態を探索する。
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Causes of Carryover |
解析データ量が多く、今年度予定した研究すべてを終了することができなかったため。平成30年度には、検出した候補遺伝子発現量を実測し(予定額1800000円)、つづいて、小児ISSNS患児の、尿中たんぱく量を病勢マーカーとしたときの、病勢と関連のある遺伝子産物を同定する(予定額1000000円)。
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