2018 Fiscal Year Research-status Report
皮膚三次元モデルを用いた尋常性乾癬におけるHippo-Yes-YAP経路の解明
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16K10127
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
古元 礼子 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70311818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清木 誠 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226619)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 尋常性乾癬 / Hippo経路 / YAP/TAZ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.正常皮膚角化細胞3次元培養系でのHippo経路の解析 1)YAP及びHippo経路関連分子のウェスタンブロットによる発現の検討:昨年度に引き続き、成人ヒト正常表皮角化細胞由来の培養細胞HaCaT細胞で3次元スフェロイド(3D spheroid)を作製し、Hippo経路の解析のため、以下の実験計画を遂行した。成人ヒト正常表皮角化細胞由来の培養細胞HaCaT細胞で3次元スフェロイドを作製し、YAP及びHippo経路関連分子のウェスタンブロットによるタンパク質発現の検討を行った。2次元培養と3次元培養でYAPの発現量を比較したところ、YAPの総量は2次元培養で著しく増加していたが、リン酸化YAPは3次元培養で増加しており、3次元培養ではHippo経路が活性化されてYAPが分解経路に入っていることが示唆された。 2)物理的刺激によるYAPの発現と局在の変化の検討:HaCaT細胞の3D spheroidに物理的刺激を加え、YAPに対する特異抗体で免疫染色を行った。活性化したYAPは細胞質から核内へ移行するので、細胞内の局在を確認したところ、コントロールの刺激なしではYAPは細胞質に局在し、Hippo経路の活性化が示唆された。過重力刺激を加えた後、時間経過を追ってYAPの発現と局在の変化を観察したが、YAPは細胞質に局在し、核内への移行は認められなかった。HaCaT細胞の3次元培養系では物理的刺激によりYAPの活性化は起きないことが確認された。この結果は最近の報告と矛盾しない(Hirata et al., Scientific Report 2017)。 2.尋常性乾癬関連シグナル伝達経路とHippo経路の関係 尋常性乾癬に関連するシグナル伝達経路にHippo経路がどのように関連するか、正常皮膚角化細胞3次元培養系で解析を行った。現在、尋常性乾癬の病態に関係する各種刺激を与えた後、YAP抗体、リン酸化YAP抗体、Hippo経路分子に対する抗体でウェスタンブロットを行い、YAPの活性化状態とHippo経路関連分子についての実験検討を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に引き続き、皮膚培養細胞を用い、2次元培養と3次元培養系とでHippo経路の解析を行った。今年度は所属講座で他の大型研究費の獲得と大学全体のプロジェクトへの協力依頼があったため、個人の研究課題に取り組む時間が十分に持てなかった。そのため、研究の計画的な遂行ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は所属講座で他の大型研究費の獲得と大学全体のプロジェクトへの協力依頼があったため、個人の研究課題に取り組む時間が十分に持てなかったため、本研究課題の進行に遅れが生じた。そのため、研究期間を延長して本研究課題を遂行することとした。 次年度(2019年度)の研究計画としては、尋常性乾癬関連シグナル伝達経路とHippo経路の関係について検討を継続する。 具体的には、尋常性乾癬に関連するシグナル伝達経路にHippo経路がどのように関連するか、正常皮膚角化細胞3次元培養系で解析を継続する。尋常性乾癬の病態に関係する各種サイトカイン(IL-17, IL-22, TNF-α, IFN-γ等)で皮膚角化細胞を刺激し、YAPの活性化状態とHippo経路関連分子についての実験検討を行う。
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Causes of Carryover |
(理由)今年度に行った実験の一部は手持ちの試薬類で対応できた。また、今年度は所属講座で他の大型研究費の獲得と大学全体のプロジェクトへの協力依頼があったため、個人の研究課題に取り組む時間が十分に持てなかったため、本研究課題の進行に遅れが生じた。そのため、研究期間を延長して本研究課題を遂行することとした。 (使用計画)次年度はHippo経路の皮膚における役割を検討するための3次元培養系の材料、試薬類の購入に使用する。
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