2018 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research on new therapy for Merkel cell carcinoma
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16K10164
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
成澤 寛 佐賀大学, 医学部, 教授 (60164498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 浩太郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (30549077)
井上 卓也 佐賀大学, 医学部, 准教授 (50380754)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メルケル細胞 / メルケル細胞癌 / 毛隆起 / 幹細胞 / 毛包 |
Outline of Annual Research Achievements |
MCC腫瘍起源は未解決のままである。更に問題を複雑にしているのは、pure MCCとcombined MCCが同一の腫瘍起源かどうかについてもほとんど言及されていない。MCCがSCCなどの他の上皮系腫瘍と併存するcombined MCCが比較的多く存在することは、MCCが多能性幹細胞から生じる可能性を示唆しているが、どのような幹細胞を発生母地とするのかは全く不明である。一方、メルケル細胞(MCs)は、毛包幹細胞が局在する毛隆起部に多数存在する。そこで我々は複数の毛包幹細胞マーカーを用いて、MCCとMCsについて毛包幹細胞マーカーの発現について、毛組織と毛包を欠く掌蹠の皮膚とも比較検討した。対象としては、6例のpure MCCと8例のcombined MCCについて調べた。combined MCCは毛包幹細胞マーカーであるCK15, CK19およびCD200のいずれかを1つ以上発現していた。一方、pure MCCでCK19発現を示したが、CK15および/またはCD200の発現は示さず、毛包幹細胞マーカーの発現においてはpure MCCとcombined MCCにおける違いが明らかになった。正常毛組織の毛隆起部においてCK15, CK19およびCD200は発現したが、CK15およびCD200はMCsが多数存在する掌蹠および毛盤には存在しなかった。以上の結果を踏まえ、pure MCCとcombined MCCは毛隆起部に存在する毛包幹細胞に由来すると考えた。特にcombined MCCはMCsのみならず上皮系への分化能を有し特徴的な複合組織を形成すると考えた。
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