2019 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between depressive patients with physical illness and nutrition -Cross sectional study and randomized controlled trial-
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16K10260
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山本 賢司 東海大学, 医学部, 教授 (10287071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 秀樹 東海大学, 医学部, 教授 (90233527)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | うつ病 / 栄養 / 栄養サポートチーム |
Outline of Annual Research Achievements |
身体疾患患者の抑うつ症状と栄養状態との関係を明らかにするために、観察研究と介入研究を行った。観察研究は総合内科病棟に入院した患者を対象とし、抑うつ症状の評価を質問紙・面接にて行い、並行して主観的包括的評価法による栄養評価、身体計測、血液検査(一般生化学検査に脂肪酸、アミノ酸とタンパク質、ビタミン、無機質などを追加)を行って、抑うつ症状と栄養状態との関係を明らかにした。患者112例から研究同意を取得し、そのうち同意撤回のあった8名、必要な検査を行えなかった4名を除いた100例が解析対象となった。性別は男性55例、女性45例で、平均年齢は69.1歳(15.0 S.D.)であった。質問紙(CESD)による抑うつ症状の評価では、39例が抑うつ群に分類された。解析を行った全症例で見ると、主観的包括的評価法による栄養評価で良好な症例は33.3%で、66.6%は中等度、もしくは重度の栄養不良に分類された。検査結果ではリノレイン酸、アラキドン酸などのアミノ酸、亜鉛、マンガン、セレンなどの無機質、ビタミンB1、ピリドキサール、葉酸などのビタミンが基準値より低い症例が多かった。抑うつ群と非抑うつ群の比較では、Body Mass Indexが抑うつ群で低い傾向にあったが、有意差は認めなかった。全症例で見ると、抑うつ群、非抑うつ群で血液検査上において有意差は認められなかったが、男女別で見ると女性では亜鉛が抑うつ群で有意に低下していた。 介入研究として、抑うつ症状を認めた症例は精神科医と栄養サポートチームが介入して標準的な精神科治療を行い、さらに栄養状態に問題がある症例には通常栄養管理群と積極栄養管理群に無作為に割り付けた。しかし、血液検査の結果が確定するまでに時間を要することや、多くの症例が経口摂取困難、当院から短期間で転院していたために介入方法についてはさらなる検討が必要と考えられた。
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