2017 Fiscal Year Research-status Report
動物モデルによる死後造影画像解析と組織学的検討・死後画像診断への応用
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16K10290
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
兵頭 秀樹 北海道大学, 医学研究院, 特任准教授 (30306154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
的場 光太郎 北海道大学, 医学研究院, 助教 (00466450)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 死後画像 / CT / 動物実験 / 死後変化 / 法医放射線 / カダバートレーニング / 死後造影CT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、いまだ死後CT画像診断に際し、所見の解釈が困難とされる課題について動物モデル実験により解明することである。 平成28年度では、死戦期状況による画像修飾を明らかにする目的に、動物頭部を用いた凍結実験を行い、凍結による死後CT画像変化について論文発表した(Legal Medicine 2017;24:19-23)。また、ヒト検体に対する死後画像検査として、脳脊髄液の死後経過時間との関連性についてデータ解析を実施し、両者の関連性について論文発表した。 平成29年度では、死戦期の状況による画像修飾を明らかにする目的に、溺水モデルの肺野所見について間歇呼吸による肺所見の修飾像を観察し、第76回日本医学放射線学会及び6th International Society of Forensic Radiology and Imagingにて発表した。また、平成28年度に実施した動物実験を実務に応用し、従来まで不可能であった腐敗脳の検査を可能とする方法について論文発表した(Legal medicine 2017;26:6-10)。また、従来までは推定不能とされた肺重量について、死後CTを用いた推計式を統計的に算出し、その方法を論文発表した(Legal Medicine 2017;29:77-81)。一方、死後換気及び死後造影CTについて実験を行い、最適な実施条件について明らかにし、検体を用いた臨床技能トレーニングの際の死後CT利用に応用するとともに、法医実務への応用を試み、死後造影CT画像を作成しデータの集積を進めた。 平成30年度では、死後造影CT画像を用いた体内状態の評価法の標準化を図る目的に、死後造影CT並びに死後換気CT検査を実施し、その有用性を客観的手法により評価を行う予定である。また、MRI所見との相違及び有用性・問題点について明らかにしてゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験を用いた新知見を得ることができ、学術発表も行っている。 カダバートレーニング用の献体に加えて、実務解剖体に対する死後造影CTを実施し、死因究明に資する死後造影CTの有用性並びに問題点について新知見を得ることができている。成果についてもデータ解析を進めており、学術発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
死後換気CT並びに死後造影CTについての知見について、データ解析を進め、学術発表を行う。 画像ワークステーションを用いて定量化指標による死因究明に資する所見を明らかにする。薬毒物分析など、他検査所見との併用による科学的死因究明の推進を進める。
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Remarks |
死後画像読影ガイドライン2015について、英語版並びにイタリア語版の作成を通じて、死後画像診断についての意見交換を行い、知見の共有を図った。
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Research Products
(9 results)
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[Book] 臨床法医学入門2017
Author(s)
美作 宗太郎、山田 典子
Total Pages
232
Publisher
明石書店
ISBN
978-4-7503-4600-7
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