2017 Fiscal Year Annual Research Report
理論的な薬剤設計に基づくがん特異的Gd造影剤の開発
Project/Area Number |
16K10307
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
島田 健裕 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (30573092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花岡 宏史 群馬大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授 (50361390)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Gd造影剤 / がん特異的 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん特異的なMRI造影剤を開発するためには、多くの造影剤をがんに運ぶ必要があるが、大量の造影剤をがんに運ぶのは困難であることから、がんに対して特異的なMRI造影剤は、未だ開発されていない。そこで本研究では、①がんの画像化に必要なガドリニウム(Gd)の量を体系的に検討し、②がんに特異的に運搬することが可能な抗体に必要量のGd結合することで、“がん特異的なGd造影剤の開発”を行うことを計画した。 Gdの量と造影効果を動物用MRI装置で確認したところ、がんを明瞭に描出するためには、ある程度の量のGdが必要であると考えられた。また担がんマウスにおけるRI標識抗体の腫瘍集積量の検討から、抗体量が多くなると集積量が飽和し、一定量の抗体しか結合できないことが予想された。従って、Gd結合抗体としては、一分子の抗体に対して多くのGdを結合する必要があることが明らかとなった。そこで多くのGdを結合することが可能な高分子化合物「デンドリマー」を選択し、異なるサイズを有するデンドリマーの末端に対してGdと安定な錯体を形成するキレート剤であるDOTAを結合した分子の設計、合成を試みた。DOTAのGdとの配位能を残したままデンドリマーのアミンに結合するための手段として、チオールとマレイミドの反応性を利用して、デンドリマーにチオールを導入し、マレイミド結合DOTA誘導体と反応させることとした。抗体とデンドリマーの結合としてはクリックケミストリ―を利用することで、デンドリマーの数を制御した状態で抗体へ導入可能であると考えられる。合成が複雑であったため、残念ながら最終分子の取得には至らなかった。
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