2019 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌に対する高線量率組織内照射の多施設プラットフォーム構築と国際共同研究開始
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16K10392
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
吉岡 靖生 公益財団法人がん研究会, 有明病院 放射線治療部, 部長 (30379242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 和彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40253984)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 放射線科学 / 放射線治療学 / 前立腺癌 / 小線源治療 / 高線量率組織内照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、前立腺癌に対する高線量率組織内照射単独療法の過去の治療成績を学会発表および論文化するとともに、現在進行中の多施設共同研究「前立腺がんに対する高線量率組織内照射単独放射線療法の安全性と有効性を評価する多施設共同検証試験」(研究代表者:国立がん研究センター中央病院 伊丹純)を実施した。 具体的には、国内発表2回、海外発表2回、英文論文3編を発表した。内、国内発表の2件は日本放射線腫瘍学会および日本泌尿器科学会東部総会にシンポジウムの演者として招待されたものであり、海外発表の2件は中国の小線源治療学会および放射線腫瘍学会に招待されたものである。査読のある英語論文を3編出版した。内、1編は欧州放射線腫瘍学会の公式誌Radiotherapy and Oncologyに、もう1編は米国小線源治療学会の公式誌Brachytherapyに掲載された。 進行中の臨床試験について、国立がん研究センターをはじめとする多施設にて累計35人の登録があった。当院でも倫理委員会の承認を得て、3例登録している。しかも、当院では独自の方法を開発し、2回刺入として1回ごとに全身麻酔下にすべての処置が完結することとした。これにより、患者や病棟スタッフらは針が刺さることを全く感じずに治療が終了することとなり、本治療への恐怖感を減らすことに成功した。本治療が標準治療となる1つのステップを越えたと考えられる。引き続き臨床試験の遂行を継続するとともに、これまでの成績を適切な機会に発表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現段階で過去の本治療の成績について多数の論文発表を行っており、招待講演を海外から依頼されるなど注目度も高い。放射線腫瘍学会や泌尿器科学会において指定演者を拝命し、他の放射線治療法や手術と比較するシンポジウムで本治療法が挙げられることが当然となりつつある。前向き臨床試験は順調に進行しており、症例集積中である。全体として研究は概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、進行中の臨床試験について、症例登録をできるだけ加速して速やかに予定の100例に到達するよう努力する。並行して、これまでの成績等を適切な機会に適宜発表する。
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Causes of Carryover |
2020年度には成果発表の機会が増加することが予想され、一定の経費が必要となることから、2019年度経費の一部を次年度に繰り越すことが適当と判断した。この中にはESTRO 2020(欧州放射線腫瘍学会年次大会)が含まれ、研究代表者は本研究に関するセッションの座長を指名されていたが、本来2020年4月開催予定であったがCOVID-19のため7月に延期となり、さらにこの申請時点(2020年5月)で7月の開催も不透明である。このように2020年度の成果発表の場である学会等の開催が不透明であることから、やむを得ずさらに次年度繰越も視野に入れる必要性を検討している。
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Research Products
(9 results)