2017 Fiscal Year Research-status Report
H.pylori感染が誘導する脱メチル化異常と染色体不安定性
Project/Area Number |
16K10515
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
斉藤 正昭 自治医科大学, 医学部, 講師 (00382911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 浩一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70332369)
力山 敏樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (80343060)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脱メチル化 / 染色体不安定性 / 胃癌 / Satelliteα transcript / CENPA蛋白 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAメチル化のような遺伝子配列の変化を伴わない遺伝子修飾の異常は、潜在的な癌の発生母地(field defect)を捉えるのに有効であると考えられる。今までの臨床検体を用いた検討から、年齢、Diffuse type胃癌、そしてSatα RDLが多発性胃癌の存在を予測する独立因子である事が分かった。 前年度はさらにSatelliteα RDL上昇が、染色体不安定性を惹起するのかを細胞レベルで検討した。すなわちSatelliteα RDL上昇により同部位でのnon-coding RNAであるSatelliteα transcript の発現亢進と、セントロメア蛋白であるCENPAのmRNA の発現を検討した。2種類の胃癌細胞株(AGS, HGC27)を用いて研究に使用した。DNAメチル化阻害剤の5-Aza-dCにより、脱メチル化条件で細胞培養を行い、5-Aza-dC処理を行った細胞株群(5-Aza-dC群)とコントロール群(Control群)に対して、Satelliteα transcript, CENPA mRNAはRT-PCR法で、CENPA蛋白は蛍光免疫染色法を利用してその発現を検出し比較検討した。Control群に対する5-Aza-dC群のSatelliteα transcript、CENPA mRNAともに5-Aza-dC群で有意に発現量が亢進していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体を用いた検討で、H.Pylori菌感染を契機としたDNA脱メチル化異常を見いだしたことから、in vitroでの検討を行った。これは、当初提唱した研究仮説を証明できたと考えられる。現在、細胞株でのDNA脱メチル化異常と染色体不安定性の関連性の証明を行うために、脱メチル化アッセイにおけるライブセルイメージをはじめとした染色体不安定性の解明を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
私たちの現在までの研究では、ゲノムワイドな脱メチル化異常までは現象を解明できたが、その先の発癌に至る原因や機序の解明まではできなかった。このことは、本来染色体不安定性を修復するまたは細胞死に至らす機構が備わっていて、その機構にさらなる異常が加わった時のみ発癌に至るのではと考えた。 今後の研究ではゲノムワイドな脱メチル化異常とそれにより引き起こされる染色体不安定性が、どのような修復機構、とりわけどのような細胞周期チェックポイント機構の破綻と関連するのかを明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
消耗品価格の変動のため生じた平成29年度の残額と、平成30年度分に請求した助成金とあわせて消耗品の購入と旅費に計上します。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Monitoring circulating tumor DNA revealed dynamic changes in KRAS status in patients with metastatic colorectal2018
Author(s)
Yuji Takayama, Koichi Suzuki, Yuta Muto, Kosuke Ichida, Taro Fukui, Nao Kakizawa, Hideki Ishikawa, Fumiaki Watanabe, Fumi Hasegawa, Masaaki Saito, Shingo Tsujinaka, Kazushige Futsuhara, Yasuyuki Miyakura, Hiroshi Noda, Fumio Konishi, Toshiki Rikiyama
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 9
Pages: 24398~24413
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Appearance of KRAS mutated circulating tumor DNA during various treatments for metastatic colorectal cancer patients2017
Author(s)
Takayama Y, Suzuki K, Ichida K, Fukui T, Kakizawa N, Watanabe F, Hasegawa F, Tsujinaka S, Miyakura Y, Noda H, Rikiyama T
Organizer
Exosomes and Liquid Biopsies ASIA
Int'l Joint Research
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